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 建設現場の労働環境は、デジタル技術でまだまだ改善できる──。大林組の川村泰生氏(28歳)は、自らの仕事の意義を熱く語る。建設現場では紙の資料を用いた非効率な仕事が根強く残っている。建設機械や資機材の運用管理、書類や図面の作製など改善の余地は大きい。川村氏は、「粘り強い支援が必要だが、現場の業務が少しでも楽になればいい」と言う。

川村 泰生(かわむら たいせい)氏。1993年生まれ。2016年3月に東京理科大学を卒業し、同年4月に大林組に入社。東京本店で3つの建設現場を施工管理した後、21年11月に建築本部本部長室生産企画部次世代技術推進課へ配属(写真:吉成 大輔)
川村 泰生(かわむら たいせい)氏。1993年生まれ。2016年3月に東京理科大学を卒業し、同年4月に大林組に入社。東京本店で3つの建設現場を施工管理した後、21年11月に建築本部本部長室生産企画部次世代技術推進課へ配属(写真:吉成 大輔)
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 川村氏は、2021年11月から建築本部内にある次世代技術推進課に所属している。この部署は大林組が21年に立ち上げた。24年4月の働き方改革関連法の施行に備えて、DX(デジタルトランスフォーメーション)で、建設現場の労働環境の改善を推進する。

 5人の課員のうち、1人は事務を担当。施工管理の経験者4人で、建設現場にデジタル技術の導入や運用支援を行う。他にも、DXツールのリサーチや、技術開発、関係者へのヒアリング、使用時のデータ収集などが業務に含まれる。

 今は西日本の建設現場へのデジタル技術の導入を推進している川村氏。それまでは東京本店で建築現場の施工管理に携わっており、次世代技術推進課への配属は寝耳に水だった。異動後すぐに、地上4階建ての工場の建設現場でDX支援を担当し、業務の重要性を実感した。

 この現場では、朝日興産(大阪市)の高車管理と呼ぶ、高所作業車のスケジュール管理技術を導入した。手作業で行っていた管理をデジタル化した結果、現場従事者1人当たり、毎日5分程度の時間削減効果があると分かった。1カ月まとめれば、現場全体で数十時間に及ぶ。