2022年7月27日~8月10日に、日系自動車メーカー7社が2022年度第1四半期(2022年4~6月)の連結決算を発表する。車載半導体を含む部品不足が続く中で、原材料価格が高騰し、各社の収益は圧迫されている。原価低減などでは対応し切れず、車両価格の引き上げに踏み切る動きが出てきた。これらの逆風にどこまで対応できたか。これが今回の決算の焦点である。

自動車7社の22年度1Q決算
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ホンダ副社長「日本での値上げを検討」、コスト増が重荷に
「日本市場に関しては競合他社の状況を見ながら、値上げ機会があればもちろん検討し続ける」。ホンダ副社長の竹内弘平氏は2022年8月10日に開いた2022年度第1四半期(4~6月)の連結決算会見で、インフレによるコスト増加の影響に対応するための値上げを示唆した。
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マツダが営業赤字、上海ロックダウンで生産・出荷台数が激減
マツダの2022年度第1四半期(2022年4~6月)の連結出荷台数が、前年同期比36.4%減の16万6000台となった。同期のグローバル販売台数は、34.0%減の23万3000台だった。同社が電話会議システムを用いて2022年8月9日に開催した2022年度第1四半期の連結決算会見で明かした。生産台…
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CNG車がインドで人気のスズキ、22年度1Qの売上高は四半期最高
スズキは2022年8月5日、2022年度(2023年3月期)第1四半期(1Q)の連結決算を発表した。売上高は1兆634億円と前年度同期比で25.8%増加し、四半期では過去最高を記録した。値上げを含む売り上げ構成などの改善やインドなどでの販売増、為替のプラス効果などによって海外での売上高が増加したこ…
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トヨタが仕入先の支援を強化、原材料コストの増加分を追加負担
トヨタ自動車が仕入先(部品メーカー)の支援を強化する。原材料価格の高騰は自動車メーカーだけでなく、仕入先の収益も圧迫している。こうした状況を受けて同社は、原材料価格の高騰による仕入先のコスト増加分を追加で負担する。
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「造れれば売れる」、スバルが強気の通期計画を維持
「米国で景気後退が懸念されているものの、営業現場の声や受注残などの状況を踏まえると、スバル車への需要は高く、造れれば売れるとみている」。SUBARU(スバル)取締役専務執行役員CFO(最高財務責任者)の水間克之氏は2022年8月3日、2022年度第1四半期(2022年4~6月)の連結決算会見でこう…
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日産COO、「コストの増加を転嫁する値上げは行わない」
日産自動車の2022年度第1四半期(2022年4~6月)の連結決算は増収減益だった。売上高は前年同期に比べて6.4%増の2兆1373億円。半導体不足や中国・上海市のロックダウン(都市封鎖)などによる生産制約の影響で、世界販売台数は同21.8%減の81万9000台だったが、為替の円安と新型車の投入に…
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三菱自が22年度の業績を上方修正、部品不足に改善の兆し
三菱自動車は、2022年度通期(2022年4月~2023年3月)の業績予想を上方修正した。2022年5月に発表した前回計画に比べて売上高は600億円増の2兆3500億円、営業利益は同200億円増の1100億円を見込む。世界販売台数は93万8000台として、前回計画から据え置いた。