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 パソコン本体は性能を考えて予算を多くするという読者は少なくないだろう。一方でパソコンの周辺機器にはあまりコストをかけない方もいらっしゃるようだ。だが僕は、モニターやキーボード、マウスにこそ資金を奮発したいと考える。

 我々は長時間キーボードとマウスを操作し、モニターを見続ける。だからこそパソコンの性能にこだわるように、キーボードやマウスの使いやすさにもこだわりたい。そこで夏休みのこの機会に、自分好みのベストなキーボードを選んでみてはいかがだろうか。

 僕自身、気に入ったキーボードは長く使う。8年以上使い続けたこともある。2万~3万円のキーボードは確かに高価だが、パソコン本体の価格に比べれば10~20%程度で済む。それで10年近く使えれば十分なはずだ。

 特に最近はテレワークの機会も増えている。自宅に良いキーボードを置いて、快適に操作しようではないか。ノートパソコンの利用者も、外付けのキーボードの利用をぜひお薦めしたい。

ノートパソコンでも外付けのキーボードを利用すると作業性は向上する。
ノートパソコンでも外付けのキーボードを利用すると作業性は向上する。
(撮影:アバンギャルド)
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メリハリのある打ち心地を好むならメカタイプ

 さまざまなキーボードを使い続けてきたが、全体的な傾向としては高級なキーボードは打ちやすいと感じる。価格なりの価値がなければ製品としてそもそも成立しないわけで、キーボードの価値といえば打ちやすさにある。打ちやすいからこそ高くても売れるわけだ。

 キーボードの心臓部ともいえるのが、キーに使われるスイッチだ。これによって種類が分かれている。まずお薦めなのが「メカニカル」タイプのキーボード。スイッチ内部に接点があるので、故障した際にもキーごとに交換が可能。安価な「メンブレン」タイプのキーボードのように、基板に接点があるキーボードは交換修理ができない。

 メカニカルタイプのスイッチは、キーを押し込む部分がスプリング(金属バネ)で支えられている。スプリングの特性と接点の形状などを調整することで、荷重や打ち心地が変えられるようになっている。

 メカニカルタイプのキースイッチで有名なのがドイツCherry(チェリー)の「Cherry MX」スイッチ。打ち心地によって軸の色を変えているのが特徴で、茶軸、黒軸、青軸、赤軸などがある。青軸は一番クリック感が大きく、打鍵音も大きい。要するにうるさい。赤軸はクリック感が少なくて軽い打ち心地で、音も抑えめだ。茶軸はその中間である。ちなみに他のメカニカルタイプのキースイッチメーカーも同じ色分けを採用している。

 メカニカルキーボードは1万円程度から購入でき種類も多い。メリハリのある打ち心地が好きならメカニカルキーボードはとてもお薦めできる。

筆者が使っているダイヤテックのメカニカルキーボード「マジェスタッチワイヤレス」。Bluetooth接続のみのタイプで販売終了品。最近はBluetooth接続と有線接続の両対応機が増えている。
筆者が使っているダイヤテックのメカニカルキーボード「マジェスタッチワイヤレス」。Bluetooth接続のみのタイプで販売終了品。最近はBluetooth接続と有線接続の両対応機が増えている。
(撮影:アバンギャルド)
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キートップを外すと、メカニカルキーボードの軸が現れる。この色で種類を識別する。このキーボードは「茶軸」だ。
キートップを外すと、メカニカルキーボードの軸が現れる。この色で種類を識別する。このキーボードは「茶軸」だ。
(撮影:アバンギャルド)
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