2003年に本放送が始まった地上デジタル放送(地デジ)の“更新”が検討されている。総務省が狙うのは、衛星放送で一部成功した4K放送のさらなる強化、普及だ。ただその一方で、8K放送は事実上の失敗状態。しかも、インターネットの動画配信サービス「YouTube」や米Netflix、さらには5Gベースの“放送”技術が黒船となって押し寄せており、従来の広くあまねくの放送の枠組み自体が揺らいでいる。

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行き止まる地デジ、通信に“吸収合併”か
目次
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次世代地デジの本命は“5G放送”?、テレビが巨大なスマホに
日本では次世代地デジの技術仕様の策定が進むも、実際に移行が始まるかどうかはほぼ白紙状態だ。一方、世界では移動通信技術ベースの「5Gブロードキャスト」が台頭し、早ければ2023年にも実サービスを始める国・地域が出てきそうだ。“放送と通信の融合”を超えて、放送が通信にのみ込まれる勢いになっている。
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次世代地デジは4Kでも帯域不足、AIベースの復号技術が起死回生策か
総務省などが技術策定中の次世代地上デジタル放送(次世代地デジ)方式で生き残っている技術は現時点で大きく2つ。ただ、どちらも技術的課題を抱えている。そこへ、第3の方式が飛び込んできた。人工知能(AI)を使うことでたとえ8K映像でも帯域をほとんど増やさずに送れるという。
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どうなる?次世代地デジ技術、23年度に4K方式確定も8Kは先送り
今、次世代地上デジタル放送(地デジ)技術の議論が総務省で進められている。現在は2018年に始まった「新4K8Kデジタル衛星放送」で「4K」などの番組が視聴可能だが、この次世代地デジでは、衛星放送やケーブルテレビではなく、テレビ塔などから電波を送信することで高精細コンテンツを視聴できるようにするのが…