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 線状降水帯などによる2022年8月3日からの大雨で、東北・北陸地方で橋の崩落や河川の氾濫といった被害が多発している。

 国土交通省は8月4日午後3時30分、8水系17河川の氾濫を確認したと発表した。11件の土砂災害も確認している。道路の流出や冠水も多数発生した。

崩落した山形県飯豊町の大巻橋(写真:共同通信社)
崩落した山形県飯豊町の大巻橋(写真:共同通信社)
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 気象庁によると、8月3日から4日にかけて6県18カ所の観測所で、24時間当たりの降水量が観測史上1位となった。山形県飯豊町で306.5mm、新潟県村上市で410mm、同関川村で560mmを記録。石川県白山市や福島県喜多方市でも、これまでの24時間降水量の最多を更新した。

 飯豊町の県道では大巻橋が崩落した。県の資料によると、架設したのは1938年。長さ24.6m、幅5.5mの鉄筋コンクリート橋だ。複数のメディアが、落橋時に車1台が巻き込まれたと報じた。大巻橋には水道管を添架していたため、約300戸に断水が生じた。同町ではJR米坂線の羽前椿―手ノ子間に架かる小白川橋梁も落下したほか、国道113号の盛り土が崩落するなどの被害が判明している。

 国交省東北地方整備局は、最上川と米代川の計4カ所で越水を確認。56カ所で内水氾濫の発生を把握した。山形県川西町ではため池が決壊し、県が調査している。

 山形県内の土砂災害に関しては、県企業局が運営する水力発電所の朝日川第1・第2発電所に土砂が流入して設備が破損。発電を停止した。県は8月3日、4市6町で災害救助法の適用を決めた。