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最近は新品でも安価に入手できるデバイスが増えてきた。こうしたデバイスに最新のLinuxを入れると、小型パソコンとして利用できるようになる。それぞれのデバイスの特徴に合わせた用途に使えるようLinux化する方法を紹介する。

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Webアクセスに特化した端末「Chromebook」をLinux化します。二つの方法があり、いずれも既存のChromebookの環境を残したままLinux化できます。

 Chromebookには、Linuxをベースに開発された「Google ChromeOS」(以下、ChromeOS)がインストールされています。このため簡単にLinuxアプリケーションを利用できそうですが、実際はLinuxのコア機能に直接アクセスできないよう、制限されています。この制限を解除するツールを利用することで、ChromeOSでもLinuxアプリケーションを利用できるようになります。

Linux化するデバイス
Lenovo IdeaPad Duet Chromebook

 中国Lenovo社が2020年6月に発売した「IdeaPad Duet Chromebook」は、10.1型タッチパネルディスプレイに、着脱式キーボードを備えた2in1タイプのChromebookです(表1)。着脱式キーボードを備えながら4万円台という値ごろ感から、発売当初は飛ぶように売れました。発売から2年が経った現在は、3万円台前半で購入できることも珍しくありません。

表1 「Lenovo IdeaPad Duet Chromebook」のスペック
表1 「Lenovo IdeaPad Duet Chromebook」のスペック
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 CPUはARMベースの「MediaTek Helio P60T」です。8コアなので並列処理能力が高く、WebブラウザーやWebアプリケーションの利用はもちろん、3Dゲームのような処理負荷のかかるアプリも問題なく動作します。しかも低消費電力で動作するので、長時間のバッテリー駆動が可能です。

 メモリーは4Gバイト、内蔵ストレージは128GバイトのeMMCと価格相応ですが、ChromeOSを利用するうえでは十分です。ただし、Linux化するとメモリー不足になる可能性が高く、使用していないアプリケーションの停止や削除など、メモリーやストレージの消費を抑える工夫が必要です。

 拡張ポートは、DisplayPort出力機能付きType-CのUSB 2.0ポート1個のみです。DC-INコネクターも兼ねているので、充電しながら外部機器を使用したり、外部ディスプレイへ出力したりするには、USBハブが必要です。