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 世界的なインフレの波、円安の進行。エネルギー資源問題に、長引く感染症対応。こうした困難な課題に企業が直面する中で、2023年に飛躍が見込まれるのはどんな業界なのか。『日経業界地図 2023年版』から、要注目分野の「業界地図」を紹介する。今回は、ITサービスをめぐる業界地図を見ていこう。

「ITサービス」のポイント
  • 2021年は新型コロナから回復
  • 22年以降もDX需要が成長をけん引する

 企業や団体の情報システムを構築・運用するサービス。銀行や鉄道、税金や年金、各種インターネットサービスなど広く社会を支えている。大手が頂点に立ち、中小のソフト会社が多重的に下請けに回る「ITゼネコン」構造が伝統的。約100万人が従事する。

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最近の動向

 調査会社のIDCジャパンによると、2021年の国内ITサービス市場は前年比3.2%増の5兆8713億円になった。

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 新型コロナウイルスの感染拡大の影響は一部で続いたものの、ITサービス事業者の業務にリモートワークが定着し、一時的に停滞していた商談やプロジェクト、サービス提供が回復した。既存システムの刷新や更新、デジタルトランスフォーメーション(DX)需要が受託開発ビジネスをけん引した。