世界的なインフレの波、円安の進行。エネルギー資源問題に、長引く感染症対応。こうした困難な課題に企業が直面する中で、2023年に飛躍が見込まれるのはどんな業界なのか。『日経業界地図 2023年版』から、要注目分野の「業界地図」を紹介する。今回は、人工知能(AI)をめぐる業界地図を見ていこう。
- 米テック企業が言葉に関するAIで開発競争
- ディープフェイクなど悪用への対策が重要に
1956年、米ダートマス大学で開かれた共同研究会で「人工知能(AI)」という言葉が生まれた。対話や自然言語処理、画像認識、ビッグデータ解析などの分野で応用が進んでいる。
最近の動向
米グーグルやマイクロソフト、オープンAIなどは大規模言語モデルと呼ばれる言語AIを開発。人間のように質問応答や文書生成、要約、翻訳、プログラミングなど幅広い業務をこなせる。単語数で何千億に相当する膨大な文章データを「巨大な脳」で学んでいることが進化の要因となっている。