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(出所:アップル、以下同じ)
(出所:アップル、以下同じ)
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 2022年9月8日午前2時(日本時間)から開催された米Apple(アップル)の新製品発表イベントにオンラインで参加した。

 今回発表された製品の中で、筆者が注目しているのは「iPhone 14 Pro」シリーズだ。今回から「Pro」が付くモデルと付かない「無印」モデルでは、カメラシステム以外の部分でも目に付く違いが生まれた。発表された内容からProシリーズに注目する点、その理由を紹介しよう。

Proにのみ最新プロセッサー「A16 Bionic」搭載

 「iPhone 14 Pro」と「iPhone 14 Pro Max」には4nmプロセステクノロジーで製造された「A16 Bionic」が搭載される。Appleシリコンの「A」シリーズは毎年更新され、トランジスターの集積度やコアの動作クロック数などが上がって高性能化していく。ちなみに2021年に登場した「A15 Bionic」は5nmプロセステクノロジーで製造されトランジスター数が約150億個だったが、A16 Bionicは約160億個になっている。

 またA16 Bionicは「スマートフォン史上最速のチップ」「競合製品より最大40%高速」と紹介されたが、A15 Bionicとの性能差がどのぐらいあるかといった直接の比較はせず、数値も公表されなかった。

 数値として確認できたのは、A16 Bionicの6コアCPUのうち2つの「高性能コア」がA15 Bionicに比べて消費電力が20%少なくなっている点。機械学習を高速に実行する「Neural Engine」の演算性能が毎秒15.8兆回(2021年の発表)から毎秒17兆回と向上した点ぐらいだ。

 A15 Bionicとの比較ではないが、競合製品との比較を示すCPUパフォーマンスのグラフから、「A13 Bionic」よりも25〜30%程度高速であることが読み取れる。

最新のプロセッサー「A16 Bionic」は「iPhone 14 Pro」「iPhone 14 Pro Max」にのみ搭載。「iPhone 14」「iPhone 14 Plus」は引き続き「A15 Bionic」が搭載される
最新のプロセッサー「A16 Bionic」は「iPhone 14 Pro」「iPhone 14 Pro Max」にのみ搭載。「iPhone 14」「iPhone 14 Plus」は引き続き「A15 Bionic」が搭載される
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A16 Bionicは競合製品よりも40%高速であるとのこと。またグラフからA13 Bionicよりも25〜30%程度高速であることが読み取れる。競合他社は、現在でも3世代前のA13 Bionicのパフォーマンスに追い付こうとしている段階と評した
A16 Bionicは競合製品よりも40%高速であるとのこと。またグラフからA13 Bionicよりも25〜30%程度高速であることが読み取れる。競合他社は、現在でも3世代前のA13 Bionicのパフォーマンスに追い付こうとしている段階と評した
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 そのA16 BionicはProシリーズにのみ搭載され、無印には2021年にリリースされた「A15 Bionic」が引き続き搭載されている。ただしA15 BionicのGPUコアの数は4つから5つに増え、グラフィックス性能は18%向上するとのこと。

 A13 Bionicが搭載された「iPhone SE(第2世代)」が、今でも多くのユーザーに愛用されている点からも、スマートフォンの一般的な使い方においては、以前からAシリーズが十分な性能に達していることは明白だ。

 では、快適さを実現してあまりあるパフォーマンスに何の意味があるのだろうか。これはカメラシステムの性能アップのほか、今回はより使いやすいUI(ユーザーインターフェース)の実現に活用されている。次で見ていこう。