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システム子会社にはベンダーとの共同出資を取る形もある。経営戦略としてシステム子会社を思い切ってベンダーに売却するケースも。様々な形態がある国内のシステム子会社201社を独自調査で一覧表にまとめた。

システム子会社の「改新」始まる(3)より続く

 大手企業ではシステム子会社を吸収合併したり、受け皿型システム子会社を立ち上げたりする動きが盛んだ。他方、ITベンダーと手を組み、システム子会社を共同出資会社で設立する選択肢を選ぶ企業も依然として多い。

最先端技術はベンダーの力を借りる

 ITベンダーとの共同出資を選んだ1社が住友化学だ。同社は2021年3月、SUMIKA DX ACCENTをアクセンチュアと共同出資で立ち上げた。

 住友化学は2021年7月にシステム子会社を吸収合併している。なぜ新たに共同出資会社を設立したのか。

図 住友化学によるIT部隊の改新
図 住友化学によるIT部隊の改新
従来型システム子会社を吸収合併する一方、DX新会社を立ち上げ
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 SUMIKA DX ACCENT社長を務める住友化学の土佐泰夫ITスペシャルアドバイザーはその理由について、「高度な最先端の技術を取り入れるには、ITベンダーと手を組んだほうがよいと考えたから」と説明する。SUMIKA DX ACCENTはAI(人工知能)やアナリティクスなどを使って、SCM(サプライ・チェーン・マネジメント)や営業業務、間接業務にデジタル技術を活用する実証実験に取り組む方針という。

SUMIKA DX ACCENT社長を務める住友化学の土佐泰夫ITスペシャルアドバイザー(写真:北山 宏一)
SUMIKA DX ACCENT社長を務める住友化学の土佐泰夫ITスペシャルアドバイザー(写真:北山 宏一)
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 コンサルティング契約ではなく、共同出資会社を立ち上げたのは「ITベンダーとより強固にデジタル戦略に取り組むため」(土佐氏)。住友化学の「出島」として様々なPoC(概念実証)に取り組み、「軌道に乗ったら早期に本体に取り込むつもり」(同)という。

オリンパスはアクセンチュアに売却

 システム子会社をITベンダーに売却する手を選ぶ企業もある。オリンパスは2021年8月、システム子会社のオリンパスシステムズをアクセンチュアに売却した。売却の狙いについてオリンパスは「ITおよびシステム環境は昨今著しく変化しており、こうした環境の変化に対応するにはオリンパス内にとどまるよりも他社の一員として業務を継続することが最善と判断した」(広報)とする。長期に及ぶシステムインテグレーション(SI)契約など、両社の今後の契約は回答を控えた。

 調査会社アイ・ティ・アールの内山悟志会長兼エグゼクティブ・アナリストは「ITベンダーがシステム子会社の売却を引き受ける場合、一般には『今後5年間は開発案件を発注すること』といった条件で契約を結ぶケースが多い」と話す。事業会社は不要と判断したシステム子会社を売却し、ITベンダーは数年かけて買収したシステム子会社を合理化して売り上げを伸ばす。