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 ワイヤ放電加工機などの工作機械を手掛けるソディックは、粉末床溶融結合(Powder Bed Fusion、以下PBF)方式の金属付加造形装置(3Dプリンター)の新機種「LPM325S」を米最大規模の製造技術展示会「IMTS 2022」(米シカゴ、2022年9月12~17日)で披露した(図1)。

 LPM325Sは、金属粉末の交換作業を簡易化する独自開発のユニット「マテリアルリサイクルシステム(以下MRS)」を搭載する。図1の左側に位置する黒い縦長の装置がそれだ。MRSは「金属粉末の自動回収・供給機能を持つカートリッジのようなもの」(同社)。1台のMRSには1種類の金属粉末が充填してあり、造形する金属の種類を変える際はMRSユニットごと交換する。これにより、1~2時間ほどの作業で別の種類の金属に切り替えられる。「従来は主に金属粉末の清掃に時間がかかり、2日ほどかかっていた」(同社)という。

 対応する金属粉末は、鋼系、ステンレス合金系、64チタン(Ti)合金、インコネル718、コバルトクロム、アルミニウム合金など。

図1 金属3Dプリンターの新機種「LPM325S」
図1 金属3Dプリンターの新機種「LPM325S」
製品左側に位置する黒色の装置がMRS。写真左の少し奥には、別のMRSが置いてある。それぞれのMRSには異なる種類の金属粉末を充填してあり、造形する金属を切り替える際はMRSごと交換する。(写真:日経クロステック)
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 一般にPBF方式では、金属材料の交換作業が煩雑なため、金属の種類ごとに1台ずつ造形装置を用意することが多い。一方、LPM325Sでは、金属の種類ごとにMRSのみを購入すればよい。設備への初期投資を抑えて多様な金属での造形が可能になるので、幅広い企業で金属3Dプリンターを導入しやすくなる。

 ソディックは特に、米国でカスタムやオーダーメードといった多品種少量生産を得意とする中小企業への導入を狙っている。そうした企業は米製造業における企業数の「50~60%を占める」(同国の業界関係者)とされ、「新型コロナウイルスの影響からの需要回復が早く、現在同国で最も成長している市場の1つ」(同)という。