人間と共生する存在から、人間の生活や社会にとっての「前提」となる存在へ、ロボットが進化しつつある。人手不足の解消や新型コロナ禍による新たな生活様式への対応へ、今やロボットの力が欠かせない。ロボット自体を進化・発展させるのに加え、ロボットありきで発想の転換を図り実利を得る動きが相次いでいる。物流から接客、実験現場、介護まで、ロボットと私たちのあるべき関係を検証する。

特集
ロボット前提社会、到来間近
目次
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スマートじゃなくていい、ロボットが介護現場の救世主になる真の秘訣
「今手を打たなければ手遅れになる」。介護施設を運営する善光会の宮本隆史理事は、介護現場の人手不足について危機感を示す。解決策の1つとして、介護ロボットが期待されている。ロボットの存在を前提に、介護職員がスムーズに仕事をしたり被介護者がストレスなく過ごせたりするシステムを構築する動きが進んでいる。
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すかいらーくやファミマに見るロボット活用の極意、利点は人手不足解消だけにあらず
人手不足が深刻な飲食やサービス業にとって、ロボットは心強い助っ人だ。すかいらーくグループやファミリーマートが大規模に導入し、成果を上げている。ロボット前提の店づくりをはじめ、人とロボットがうまく共存する絶妙な関係を構築した。人手不足解消にとどまらない、利点と活用の極意とは。
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実験室に行かない「在宅研究」の道を開く、汎用ヒト型実験ロボの実力
在宅勤務があるなら「在宅研究」も――。ロボット前提社会は医薬や創薬における研究現場の姿も変えるかもしれない。専用の実験機器が必要で、実験室に行くのが当たり前だった研究現場でも、ロボットにより在宅研究が当たり前の選択肢になる兆しが見え始めた。
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ロボット配送ついに実用化なるか、宅配危機回避の期待と「ラスト100メートル」の壁
自動車、自転車、そして自動配送ロボット。2023年、宅配の荷物を送り届ける車両型ロボットが道を行く姿が、いっそう身近になりそうだ。道路交通法の改正により、自動配送ロボットを使った宅配サービスが、実証実験から実用化へと大きく前進する見通しが出てきた。
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「ロボット前提社会」到来間近、ヒトはロボに歩み寄れるか
ロボットが人間と共生する存在から、生活や社会にとっての「前提」となる存在へと進化しつつある。消費者が生活空間を設計したり企業が製品やサービスを開発したりする際に、ロボットの存在を生活動線や業務プロセスに最初から組み込んでおく。