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建設現場遠隔監視とは、カメラの画像や映像を見て離れた場所から建設現場を監視したり監督したりすることである。遠隔から現場の様子を確認できれば、わざわざ足を運ぶ必要がない。建設現場を管理・監督する業務を大幅に効率化できる。
例えば、超高層ビルの建設現場の場合、数十階ものフロアで同時に工事が進められている。作業所の所長や各現場の職長らは以前、広大な建設現場を歩き回り、持ち場の確認をしていた。自分の目で確認しておきたいことがあれば現場に足を運べばよいが、毎回行く必要があるかというとそうでもない。現場に設置したカメラで映像を確認すれば済む場合も多い。
そこで最近の大規模な建設現場では、複数台のカメラをあちこちに設置して、モニターを並べた部屋で集中監視するケースが増えてきた。こうした場所は、スマートコントロールセンターといった名称で呼ばれることがある。建設現場内に高速のWi-Fi網を独自に張り巡らせて、カメラを接続。映像をセンターに集約する。この部屋に来れば、各現場で起こっていることをおおまかに把握できる。気になる点があれば、自ら出向けばよい。
こんな使い方もある。住宅メーカーに多いが、戸建ての建設現場は全国に散らばっている。そのうちの何件かを、1人の現場監督者が抱えているのが普通だ。従来は担当している住宅の建設現場を巡回するのが、現場監督者の大きな役目だった。しかし移動時間が長いと、業務効率はなかなか上がらない。1件にかけられる時間も限られてしまう。
そこで住宅の建設現場にカメラを設置し、自分が担当している現場を複数のモニターでまとめて見たり、センターで集中監視したりして、移動の無駄を省く取り組みも盛んになってきた。