「あれ、メイン基板の形、もしかして同じですか?」――。米Apple(アップル)が2022年9月16日に発売した「iPhone 14 Pro」と「iPhone 14 Pro Max」を分解していると、立ち会っていた技術者がこう指摘した。両機種はディスプレーサイズがそれぞれ6.1インチと6.7インチで、きょう体の大きさが異なるにもかかわらず、従来と違ってメイン基板が同じ形状になっていたのだ(図1)。
21年に発売された前機種「iPhone 13 Pro」と「iPhone 13 Pro Max」では、同14 Pro、同14 Pro Maxと同じく、きょう体の大きさが異なっており、このサイズの違いに合わせる形で基板の形状が違っていた(図2)。それが同14 Proと同14 Pro Maxでは、2次電池の大きさは異なるものの、メイン基板は共通化されていたのだ。
これまでのiPhoneでは、例えばiPhone 12と同12 Proなど、きょう体の大きさが同じ機種同士で、メイン基板の形状が共通化されることはあった。しかし、きょう体の大きさが異なる機種同士で共通化されることは、歴代のiPhoneを分解してきた記者の記憶にはない。
今回のiPhone 14 Proと同14 Pro Maxは、その同12シリーズと同様に、メイン基板同士を重ねてみてもぴったり重なるほど、形状が同じだった(図3)。
内部構造は従来と同じ、“箱形”のケースに収容
今回のiPhone 14シリーズでは、同14と同14 Plusの「スタンダード」系統と、同14 Proと同14 Pro Maxの「Pro」系統で、内部構造が大きく変わっている。
同14はディスプレーの直下にセンターパネルを配置する構造を採用し、iPhoneとしては目新しいものだった。これに対して、同14 Proと同14 Pro Maxは、従来機種と同様にディスプレーの直下に主要部品が配置されていた(図4)。
ディスプレーを取り外した内部構造の見た目は、iPhone 14 Proと同14 Pro Maxでほぼ同じだ。きょう体のサイズが大きな同14 Pro Maxのほうが、L字形のリチウム(Li)イオン2次電池が大きいのが分かる(図5、図6)。