新iPhoneの予約開始日、App Storeアプリからのエラーメッセージ頻発で予約レースに敗北してしまった筆者だが、出遅れること2週間、iPhone 14 Proをやっと入手できた。
筆者を含め一般ユーザーにとって気になるのは、カメラの進化だ。スマホのハードウエア領域における進化が見えにくくなっている昨今、iPhoneの新機種における関心はカメラ機能に集中しがちだからだ。
別の見方をすれば、コンピュテーショナルフォトグラフィーという形で、画像処理の能力がスマホ写真の質を左右することが当たり前になった今、一般ユーザーにとってはハードの進化を最も感じやすい領域となる。
というわけで本コラムでは、2021年のiPhone 13 Proをパスし、2年間iPhone 12 Proを使ってきた筆者によるiPhone 14 Proのカメラレビューをお届けする。12 Proには「Apple A14 Bionic」が、14 Proには「Apple A16 Bionic」が搭載されているので、チップとして2世代を経ることでカメラがどこまで進化したのかが最大の関心事だ。
ちまたの一部には「13 Proから大して進化していない」という声もあるが、これまで2年間、12 Proを使っていた筆者からすると、その格段の進化に驚きを禁じ得ない。以下、12 Proユーザーだった男の浦島太郎的視点でのiPhone 14 Proのカメラ機能紹介だ。
シンプルなシングルレンズのデザインが懐かしい
iPhone 14 Proを手にしてまず驚いたのは、レンズの肥大化だった。思えばカメラユニットの見た目は、世代を経るごとにいかつくなっている。スマートさに欠け、iPhoneが本来持っていた、シンプルでシュッとした印象からどんどんかけ離れていく。
超広角や望遠の追加、さらにはLiDARスキャナー搭載など、とどまるところを知らない高機能化の代償として、このトレードオフを受け入れるしかない。トリプルレンズの見た目が好きな人もいるだろうが、筆者は、以前の一眼のシンプルなデザインが好きだ。高機能化で得たものもあるが、失ったものも大きい。iPhone 4、iPhone 5、iPhone 14 Proと並べてみると昔のiPhoneのシンプルさが際立つ。