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 スギノマシン(富山県滑川市)は、高圧水部品洗浄機「JCC(ジェトクリーンセンタ)」シリーズの新機種として、バリ取り用の高速スピンドルモーターと2軸円テーブルを搭載する「JCC 104 HYBRID」を開発した(図1)。2022年11月1日に発売予定。バリ取り用の回転工具と最高50MPaの高圧水の噴射を併用して、バリや切りくずを除去する。

図1 「JCC 104 HYBRID」の外観
図1 「JCC 104 HYBRID」の外観
(出所:スギノマシン)
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* スギノマシンのニュースリリース: https://www.sugino.com/soshiki/1/news221027.html

 フローティング機構を備えた最高回転数2万rpmの高速スピンドルモーター「BARRIQUAN(バリカン)」のJCCシリーズ専用機種を開発し、同104 HYBRIDに搭載した(図2)。バリ取り用の工具をワークの外形形状に沿って動かせるため、ワーク寸法にバラツキがあってもバリの取り残しや削り過ぎを防げる。ワーク外側のバリ取りはBARRIQUANが、ワーク内部の公差穴や深穴、段差部といった工具が届かない箇所のバリ取り・洗浄は高圧水が担う(図3、4)。

図2 「BARRIQUAN」によるワーク外面のバリ取り
図2 「BARRIQUAN」によるワーク外面のバリ取り
(出所:スギノマシン)
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図3 高圧水によるワーク内面のバリ取り
図3 高圧水によるワーク内面のバリ取り
(出所:スギノマシン)
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図4 6本の工具を装備できるタレット
図4 6本の工具を装備できるタレット
(出所:スギノマシン)
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 加えて、底面が開放された形状の中空2軸傾斜円テーブルを装備(図5)。割り出し5軸制御により、取り付け面も含めたワークの6面全てでバリ取りができる。斜めに空いた穴やリブ部などにもアクセスしやすいという。これらによってバリ取り工程と洗浄工程の集約が可能になり、設備費用と設置スペースを抑えながら自動化と省人化を図れるとしている。

図5 底面が開放された形状の中空2軸傾斜円テーブル
図5 底面が開放された形状の中空2軸傾斜円テーブル
(出所:スギノマシン)
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 NC装置による制御のため、Gコードでの操作が可能。その他、部品洗浄機で最も電力を消費する高圧水発生ポンプの動力を最適化して消費電力を削減するパッケージ「JCC-eSmart」を標準搭載する(図6)。同パッケージによる動力の最適化は、高圧水を用いたバリ取り条件の調整にも効果的だという。

図6 ポンプの動力を最適化する「JCC-eSmart」
図6 ポンプの動力を最適化する「JCC-eSmart」
(出所:スギノマシン)
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 本体の寸法は幅1600×奥行き4550×高さ2500mm、装置本体の質量は4300kg。価格は2500万円(税別)から。同社は、JCC 104 HYBRIDを「第31回 日本国際工作機械見本市(JIMTOF2022)」(2022年11月8~13日、東京ビッグサイト)に出展する。