3Dプリンターを開発・製造する米Markforged(マークフォージド)傘下のスウェーデンDigital Metal(デジタルメタル)は、造形速度が同社の従来機と比べて5倍の金属3Dプリンター「DMP/PRO」を開発した。2023年に発売予定。日本では日本電産マシンツール(滋賀県栗東市)を通じて提供する。
Digital Metalは平らに敷き詰めた金属粉にノズルから選択的に結合剤(バインダー)を噴射して固める「バインダージェット(BJT)方式」の金属3Dプリンターを手掛けている。新機種のDMP/PROは、2018年に販売した従来機の「DM P2500」から主にバインダーを吐出するノズルの形状を変更し、標準造形速度が500cm3/hと従来比5倍に向上した*。
具体的には、従来機が幅12.5mmのノズルヘッドを2つ搭載していたのに対し、DMP/PROは222mmに幅を広げたノズルヘッドを1つ搭載している。このノズルヘッドは7万400個のインクノズルを備えており、15.5kHz周期でバインダー液滴を2p(ピコ)Lずつ吐出する。ノズルヘッド幅が広くなったことで、時間当たりのバインダーの吐出量が増え、造形の効率が上がった。
ノズルヘッドの動き方もより効率的になった。従来は幅が狭いノズルヘッドだったため、ノズルヘッドは造形エリア内の端から端へ、ジグザグと動いて面全体にバインダーを行き渡らせていた。幅が広い新型機のノズルヘッドは、造形エリアの一端から直線的に動くだけで面全体にバインダーを吐出できる。