アマダはレーザー光の微細な軌跡制御によって加工品質を高めるファイバーレーザー加工機「VENTIS-3015AJe」と、電動サーボ駆動のベンディングマシン「EGB-eシリーズ」を「第31回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2022)」(2022年11月8~13日、東京ビッグサイト)で出展した。国内での公開は初めて。加工機能の強化とともに、非熟練者でも使いやすくする機能を充実させた。
VENTIS-3015AJeは、レーザー発振器の出力を従来の4kWから6kWに強化した加工機(図1)。25mm程度の厚い鋼板の切断に使える(図2)。VENTIS AJシリーズの既存モデル同様、レーザービームを微小に高速で動かす「LBC(Locus Beam Control、軌跡ビームコントロール)テクノロジー」により、切断面の品位を向上させた。
LBCテクノロジーの応用の1つとして、微細な円形の穴を多数あけたSPCC(冷間圧延)鋼板(板厚1.0mm)を展示した(図3)。通常のレーザー加工機では材料を乗せた2軸テーブルを動かして、相対的にレーザーが材料面で円形の軌跡を描くようにする。しかし展示したサンプルではテーブルなどの軸は動かさず、レーザーのヘッドも動かさず、光学的なビーム操作で円形の穴を開けた。機械的動作を伴わないため、5万5000mm/分と高速に加工できる。この他、加工技術の工夫により厚板の切断時にエッジをシャープに保った加工サンプルや、LBCテクノロジーにより加工時間を短縮したサンプルなども展示した。
NC装置には新開発の「AMNC 4ie」を採用。加工開始時の自動芯出し機能など、非熟練者でも使いやすくする機能の強化を図った。二酸化炭素(CO2)の排出量をモニターする機能があり、アイドリング時にチラーやコンプレッサーを調節してCO2排出量を最大65%削減できるという。モバイル端末からの遠隔操作が可能で、1人の作業者が複数台の機械を担当できるようにしている。