日本電産マシンツール(滋賀県栗東市)は、歯車用の切削面取り盤「CF26A」とその専用工具を新開発し、「第31回 日本国際工作機械見本市(JIMTOF2022)」(2022年11月8~13日、東京ビッグサイト)で初披露した。従来と異なる加工法を採用し、面取り精度を向上させた。精度が求められる電気自動車(EV)用歯車の加工で利用を見込む。
歯車面取り盤はホブ盤などで歯車の歯を形成した後に使うもので、ホブ加工など前工程で生じたバリを取りつつ、狙った形状に面取りする。同社は従来、「フレージング加工」という手法で面取りをしていた。歯車の端面を押しつぶすようにして変形させる塑性加工のため、歯面や端面が盛り上がることがあった。盛り上がった突起部分は後工程の焼き入れで熱が入りやすいため特に硬くなり、焼き入れの後に行う研削工程で砥石の劣化を早める原因となっていた。
一方、新開発のCF26Aはホブ加工のようにワークと工具を同期運動させながら切削する「創生加工」で歯車の角を除去する。フレージング加工と違って歯面や端面に盛り上がりや2次バリが生じない。加えて、フレージング加工では難しかった歯底部分の面取りや1mm以上の大きな面取り幅にも対応できる。この加工法で面取りをする機械は欧米で見られるものの「日本では初めてだろう」(同社担当者)という。