2022年2月24日にロシアによるウクライナ侵攻から半年以上が経過した。現在も戦闘状態が続く中、「自律・分散・協調」を掲げて著しい発展を遂げてきたインターネットが揺らいでいる。国家間の対立が、グローバルで単一のネットワークとして社会・経済インフラと化したインターネットに亀裂をもたらそうとしているからだ。「スプリンターネット」と呼ばれるインターネットの分断は、緊張を増す世界情勢を反映するかのように加速していくのか。

特集
ネットの分断「スプリンターネット」
目次
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「IPはもはや限界」、ファーウェイの新提案が世界で物議
2019年に中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)が中心となって国際電気通信連合(ITU)に提案した、その名も「New IP」は、その存在が明らかになってから3年が過ぎた現在も世界に物議を醸し続けている。インターネットの根幹が、「IP」と「New IP」という技術仕様によって分裂していくのか。…
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ネットの管理巡り米欧と中露が対立、中国がITUに接近する理由
ロシアによるウクライナ侵攻で、新たな段階に入ったインターネットの分断である「スプリンターネット」。実は中国は長年にわたって、現在のインターネットの管理体制に異議を表明し、行動を続けている。
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「ロシアドメインを止めて」、ウクライナ要求がネットのあり方に一石
2022年2月24日にロシアがウクライナへと侵攻してから半年以上が経過した。現在も戦闘状態が続く中、「自律・分散・協調」を掲げて著しい発展を遂げてきたインターネットが揺らいでいる。国家の対立が、グローバルで単一のネットワークとして社会・経済インフラと化したインターネットに亀裂をもたらす動きが顕在化…