全1391文字
PR

 「高音質な楽曲が手ごろな料金で聴き放題」という、パソコンやスマホで利用できる定額制のストリーミング配信サービスが一気に普及した。これらの機器で利用できるオーディオ環境もここ数年で大きく進化。音楽CDを超える高音質の楽曲を手軽に聴けたり、アーティストが間近にいるような臨場感を楽しめたりするようになる。本格的なオーディオ機器を取りそろえるヘビーな音楽ファンにも、カジュアルに楽しみたいライトな音楽ファンにも、至福ともいえる世界が実現しつつある。

サイズから音質重視へ

 最新のサービスや技術を見ていく前に、これまでのデジタル音楽の変遷を概観しておこう(図1)。

●パソコンやスマホのオーディオ環境は大きく進化
●パソコンやスマホのオーディオ環境は大きく進化
図1 パソコンや携帯音楽プレーヤー、スマホのオーディオ環境の変遷をまとめた。初期は音楽CDをパソコンでリッピングして取り込んでいた。インターネットの普及でダウンロード配信が本格化。近年は、通信のブロードバンド化によって定額制のストリーミング配信が定着。ストレージの大容量化に伴い、ここ1年ほどはロスレスやハイレゾといった高音質化が進んでおり、立体音響という新技術も登場した
[画像のクリックで拡大表示]

 パソコンで音楽を楽しみ始めた当初は、音楽CDをリッピングし、MP3などの形式で楽曲ファイルとして保存していた。次に始まったのが、米アップルの「iTunes Music Store」に代表されるダウンロード方式の音楽配信。楽曲単位の買い切り型であり、MP3、AAC、ATRAC(アトラック)などの形式が主流だった。これらはいずれも、情報の一部を間引いてファイルサイズを圧縮する形式であり、音楽CDより音質は低い。とはいえ、サイズの小ささは、当時の低速なインターネット回線や、小容量ストレージの携帯音楽プレーヤーにとっては好都合だった。

 音質よりサイズという傾向は、2013年ごろから注目され始めた「ハイレゾ」音源の登場で変化する(図2)。ハイレゾとは高解像や高精細を意味する「ハイレゾリューション」の略。ハイレゾ音源は、より原音に近い高音質な音楽データで、一般に音楽CDの3倍以上の情報量がある。

●「ハイレゾ」は音楽CDを超える高音質
●「ハイレゾ」は音楽CDを超える高音質
図2 一般に「ハイレゾ」は、音楽CDより高音質であることを指す。原音の情報をCDより残したままデジタル化するイメージだ。ダウンロードやストリーミングで配信される
[画像のクリックで拡大表示]