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 2021年半ばごろからは、「立体音響」や「3Dオーディオ」と呼ばれる技術が身近になった。聴き手があたかもその場にいるような臨場感を得られる。没入感(イマーシブ)が高いことから「イマーシブオーディオ」とも呼ぶ。臨場感という意味では既存の「サラウンド」技術に近い。ただし、サラウンドが音場を平面的に広げるのに対し、立体音響は垂直方向にも広げることができる。

 立体音響を実現する主な規格としてソニーの「360 Reality Audio(360RA)」と、米ドルビーラボラトリーズの「ドルビーアトモス(Dolby Atmos)」がある( 図1)。360 Reality Audioは、その名の通り全方位に音場が広がる。ドルビーアトモスはそもそも映画の音響技術として開発されたという経緯があり、上半球の範囲を対象にしている。アップルはドルビーアトモスによる立体音響を「空間オーディオ」と呼ぶ。

●立体音響には2種類の規格がある
●立体音響には2種類の規格がある
図1 スマホなどで楽しめる立体音響技術は、「360 Reality Audio」と「ドルビーアトモス」。どちらも音源に位置情報を付加することで、臨場感ある音場を実現する。前者が図のように全方位に広がるのに対して、後者は上半球という違いもある
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スマホで手軽に聴ける

 現状で立体音響を手軽に体験できるのは、スマホで聴くストリーミング配信だ(図2)。配信サービスの標準プランに含まれており、対応する楽曲のラインアップは、最近の収録曲を中心に増えつつある。AmazonMusic Unlimitedは両方の方式、Apple Musicはドルビーアトモスで配信する。楽曲は一般的なイヤホンやスピーカーでも再生できるが、立体音響の効果を十分に得るには、メーカーが「認定」や「対応」をうたっている再生機器が必要になる。

●ストリーミング配信のサービスで楽曲を提供
●ストリーミング配信のサービスで楽曲を提供
図2 Amazon Music Unlimitedでは2種類の立体音響を配信。Apple Musicなどではドルビーアトモスを利用した立体音響を「空間オーディオ」と呼ぶ。標準プランのまま追加料金なしで聴ける。Deezer(ディーザー)は、日本で初めてCD音質で配信したフランスの定額制配信サービス
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