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プログラミング言語のPythonは広く使われるようになり、始めてみたい人も多いはずだ。しかし、Pythonには初心者がつまずきやすいポイントがいくつかある。そうしたポイントを、新人プログラマーAさんの具体的な悩みを解決する形で解説していこう。

(イラスト:森マサコ)
(イラスト:森マサコ)
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さっきのエラーが再現できず、「ログを取れ」と言われたけど…

 ぼくはPythonを仕事で使ってる。日々Pythonを勉強しているおかげで、コードの中身が読めるようになってきた。最近は、作ったプログラムでエラーが発生しても、慌てず落ち着いて対処するようにしているよ。

 だけど今、とても困っている。さっき自分で書いたプログラムを実行すると、エラーになってしまった。見たことのないエラーだったから先輩に質問すると、「エラーを再現して見せて」と言われた。だからぼくは、もう一度同じプログラムを実行した。先輩の目の前でエラーの証拠を見せようと思ってね。それなのに、出てくるはずのエラーが再現できなかったんだ!

 先輩には「次からログを取ってね」と言われた。「ログ」とは、「プログラムの処理の途中で起こったことの記録」らしい。ログを出力するには、どうしたらいいんだろう。print関数を使って、処理の開始と終了をコマンドプロンプトに表示すればいいのかな。

ログ出力は重要、loggingモジュールを使いこなそう

 プログラムのバグが発生したときなどでは、ログを確認してプログラムの処理の過程を確認する作業が欠かせません。

 Pythonには、ログを取るための「logging(ロギング)」という標準モジュールが含まれています。ロギングはログを取ることを意味し、プログラムを実行しているときに起こった出来事を記録して追跡します。loggingモジュールを使うと、実行結果には表示されない処理の過程を、メッセージで表示させることができます。

 プログラムのバグが発生したときに、どこでバグが発生したのかというログを残しておくことで、バグ対応もスムーズになります。