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 ネットワークスイッチは、数千円程度の低価格帯の製品から1000万円以上する高機能の製品まで様々な種類がある。これほどまでに幅があるのは、機能や役割などに違いがあるからだ。そこで今回は、機能や役割などの違いに注目してスイッチを分類してみよう。

 分類方法は大きく3つある。まずはレイヤーによる分類だ。レイヤー2(L2)の通信に特化したL2スイッチと、L2スイッチにレイヤー3(L3)の処理機能を追加したL3スイッチがある。

スイッチの分類方法の例
スイッチの分類方法の例
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製品によって機能に大きな差

 続いて機能の豊富さに着目した分類だ。最もシンプルなスイッチは、MACフレームの転送機能だけを備える「ノンインテリジェントスイッチ」である。管理機能を持たないことから「アンマネージドスイッチ」と呼ばれることもある。設定が不要ですぐに導入できるため、家庭やSOHO(Small Office Home Office)、小規模な企業ネットワークで使うことが多い。ほとんどは低価格である。

 ノンインテリジェントスイッチの対極にあるのが「インテリジェントスイッチ」である。中~大規模な企業ネットワークで使うことを想定して豊富な機能を持つ。例えば遠隔管理に利用するSNMP(Simple Network Management Protocol)エージェントの機能を備える。ほかにもVLANや通信品質を確保するQoS(Quality of Service)、IEEE 802.1X準拠のポートベース認証といった機能も備える。価格は相応に高い。

 ノンインテリジェントとインテリジェントの中間に位置するのが「セミインテリジェントスイッチ」だ。VLANやQoS、ポートベース認証といったインテリジェントスイッチの一部機能を備える。「スマートスイッチ」と呼ぶこともある。

 分類方法の3つめは役割による分類だ。パソコンなどの端末を直接つなぐスイッチを「アクセススイッチ」、アクセススイッチを集約するスイッチを「ディストリビューションスイッチ」と呼ぶ。それらを束ねるのがネットワークの基幹となる「コアスイッチ」だ。