紙管と木の小屋組みで「現代の農家」の茅葺屋根
農家レストラン 陽(はる)・燦燦(さんさん)(兵庫県淡路市)、設計:坂茂建築設計、施工:木々のや、くさんかんむり
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クライアントのパソナ農援隊から、淡路島で社員が営む農園の真ん中に、そこで採れた野菜が食べられる「農家レストラン」をつくってほしいと依頼された。
“農家”というのだから思い切って伝統的な日本の“農家”、あるいは“民家”のタイポロジーを正面から追及してみようと考えた。しかしながら現代に昔ながらの本格的な木造小屋組みをつくるには、予算的にも材料手配にも問題がある上に、伝統的な木造をまねしても、それ以上の建築的価値は得られない。そこでこれまで開発してきた紙管構造を採用することによって、大断面の木の代わりに、構造的に必要な太さの紙管により力強い小屋組みの内部空間を実現することとした。
北東側全景。紙管とスギのハイブリッド構造の柱が茅葺屋根の下に並ぶ(写真:平井 広行)
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40度勾配の屋根を支える小屋組み。登り梁と長手・短手方向の梁は、直径285mmの紙管とヒノキの組み合わせ(写真:平井 広行)
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建物の外側を巡るテラス。8枚引きのガラリ引き戸を設置し、戸を引き込むと内外が連続する空間とした(写真:平井 広行)
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