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 福岡市の中心市街地に立地する小学校跡地のグラウンドを、隣接する高校が暫定的に利活用するプロジェクトである。スクールバス3台分の駐車場を内包する大きな屋根の駐車場棟とトイレ棟、隣接する既存校舎につなぐ渡り廊下棟の3つの建築を提案した。

緩やかな曲面を描く大屋根。ピロティ、バス駐車場、トイレ棟を覆う(写真:長谷川 健太)
緩やかな曲面を描く大屋根。ピロティ、バス駐車場、トイレ棟を覆う(写真:長谷川 健太)
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 まず、小規模な渡り廊下棟から構造材の材寸やモジュールを検討した。大きなグラウンドに向けて筋かいや耐力壁のような面を設けたくないと考え、ラーメン構造とした。

 最大12mのスパンとなる駐車場棟屋根は、通常では600mm程度の梁せいが必要となる。ここでは50mm角パイプ材を500mmグリッドで組み、必要に応じて段を重ね、最大40mmのむくりを付けた状態で溶接することにより軽やかな屋根を実現した。

 長さ65mの渡り廊下棟の柱は4mスパンの千鳥配置とし、高さを2mとした。トイレ棟は同じ50mm角の柱・梁・母屋を500mmピッチで並べ、間柱を兼ねさせた。

校舎側から見下ろす。50mm角パイプと500mmグリッドの構成が、バス駐車場棟と渡り廊下棟に一体感を与える(写真:長谷川 健太)
校舎側から見下ろす。50mm角パイプと500mmグリッドの構成が、バス駐車場棟と渡り廊下棟に一体感を与える(写真:長谷川 健太)
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 小さな部材の集積によって構造を成立させるとともに、金属折板やアルミ複合板などの工業製品を外装材として躯体にそのまま取り付けた。全体に、工業製品の備える即物性と、細やかな構造体の抽象性がそのまま出会うような構成を目指した。

全体配置図
全体配置図
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