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 伊仏合弁STMicroelectronics(STマイクロエレクトロニクス)は、エレクトロニクス国際展示会「electronica 2022」(ドイツ・ミュンヘン 2022年11月15~18日)にブースを構え、英Charge Cars(チャージ カーズ)が開発したEV(電気自動車)「‘67」を展示した(図1)。このEVには、バッテリー管理ICなど多数のSTMicroelectronics製品が搭載されているという。

図1 Charge Cars(チャージ カーズ)が開発したEV「‘67」
図1 Charge Cars(チャージ カーズ)が開発したEV「‘67」
(写真:日経クロステック)
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 Charge Carsはロンドンに本社を構える2016年創業の自動車メーカーである。‘67はその名称に込められているように、米Ford(フォード)の1967年式マスタングの外観デザインをFordからライセンス取得し、最新のエレクロニクス技術を結集したEVに仕立てたいう。展示されていた‘67は実際に走るがプロトタイプで、実車は2023年から出荷が始まる。499台の限定生産で様々なカスタマイズに応じるとしている。メディアの報道によれば、北米での販売価格は45万米ドル(約6000万円)からと一般消費者には手が届きそうにない。

 STMicroelectronicsのブースの説明員によれば、‘67には英Arrival(アライバル)のバッテリーモジュール(電圧255~428V、容量3.7kWh)とトラクションインバーター(出力電圧300~430V、連続最大電力105kW)が搭載されており、どちらにもSTMicroelectronicsの製品が複数含まれるとのことである。なお、ArrivalはこのようなEV向け自動車部品に加えて、EVの完成車も開発提供している。

 今回のSTMicroelectronicsのブースでは、きょう体の一部をプラスチックにしたArrivalのバッテリーモジュールが展示されており、中のプリント基板が見えるようになっていた(図2)。その基板にはSTMicroelectronicsの車載バッテリー管理IC「L9963E」や車載マイコン「SPC58」などが載っている。一方、Arrivalのトラクションインバーターには、同じく車載マイコンのSPC58や絶縁型ゲートドライバーの「STGAP1AS」、パワーモジュール「ACEPACK」が採用されたとのことだった。

図2 Arrivalのバッテリーモジュールのスケルトンモデル
図2 Arrivalのバッテリーモジュールのスケルトンモデル
(写真:日経クロステック)
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 STMicroelectronicsのブースには、SiCパワー半導体のウエハー(図3)や、SiCパワー半導体を利用したオン・ボード・チャージャー(図4)も展示されていた。オン・ボード・チャージャーはドイツinnolectric(イノレクトリック)の製品で、充電電力は最大22kWである。STMicroelectronicsの第3世代SiC MOSFETを利用したことで、このオン・ボード・チャージャーのきょう体は大きさが約30%小さくなったという。

図3 SiCパワー半導体のウエハー
図3 SiCパワー半導体のウエハー
(写真:日経クロステック)
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図4 SiC MOSFETを搭載したinnolectricのオン・ボード・チャージャー
図4 SiC MOSFETを搭載したinnolectricのオン・ボード・チャージャー
(写真:日経クロステック)
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