AI(人工知能)によってクルマを市内各地へ配車する事前予約・乗り合い型の交通サービスである「AIオンデマンド交通」の導入が全国各地で広がっている。人口減少・高齢化などで収縮が続く地域にとってAIオンデマンド交通は救世主である。しかしその半面、導入・活用方法を誤れば新型コロナ禍などでダメージを受けた地域の交通システムが壊れてしまう恐れもある。先行する各地の導入事例などを基に、AIオンデマンド交通を地域に根付かせ、地方の「救世主」とするための要諦を探る。

特集
AIオンデマンド交通は救世主か破壊者か
目次
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意外に泥臭いAIオンデマンド交通、導入を成功に導くポイントとは
AIオンデマンド交通はここ数年で全国に広がり、実証運行から本格運行に移行する動きも活発になってきた。一方、検討段階や実証運行の段階にとどまっている地域も少なくない。各地の成功事例を見ていくと、AIオンデマンド交通の円滑な導入に重要なポイントが4項目ほど浮かび上がる。
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渋谷に進出したAIオンデマンド交通、タクシー業界の反発で本格運行がお預けに
東京都心部でのAIオンデマンド交通の実証運行に、地元の交通事業者から「需要を奪われかねない」と反発する声が上がっている。人口密集地にも点在する公共交通の空白地帯。そこにAIオンデマンド交通を定着させ、地元とも共存するための教訓とは何か。
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AIオンデマンド交通の鍵を握る、配車アルゴリズムの仕組みと限界は
同時間帯に同方向へ向かう乗客をAI(人工知能)がマッチングする乗り合い制の公共交通、AIオンデマンド交通。その運行に欠かせないのが、次々に入ってくる配車予約のリクエストを適切に割り振る運行管理システムだ。
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二子玉川や河内長野、大都市周辺でも広がり始めたAIオンデマンド交通
東京・世田谷の二子玉川駅。東急電鉄の2路線が乗り入れ、2021年度の1日平均の乗降客数が約11万9000人に上る同駅を発着する路線バスの一部を、2023年3月にAIオンデマンド交通へ切り替える計画が進んでいる。
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100以上の地域がAIオンデマンド交通を導入、背景にある地方交通の厳しい現実
AIオンデマンド交通の導入が特に進んでいるのは地方都市だ。その背景には人口減少や高齢化に端を発する地域の構造問題と、それを解決しうる技術の進化がある。
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路線バスの消えゆく街、生活の足を支えるのはAI
長崎県南東部の島原半島に位置する島原市。西に雲仙岳、東に有明海を望む風光明媚(めいび)なこの街で、路線バス事業を担う唯一の民間事業者である島原鉄道が、市内6路線18系統の路線バスを同年9月末に廃止する方針を発表したのは2021年5月のことだった。
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