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 丸亀製麺など飲食店を国内外で約1700店舗展開するトリドールホールディングス。2019年にデジタル戦略を転換し自社開発からSaaSに移行、変化に対応しやすい仕組みとする。「食の感動」への手間を惜しまず、出店も広げるトレードオン戦略でさらなる成長を目指す。

(聞き手は浅川 直輝=日経コンピュータ編集長、馬本 寛子=日経クロステック/日経コンピュータ)

粟田 貴也(あわた・たかや)氏
粟田 貴也(あわた・たかや)氏
1961年10月生まれ。兵庫県出身。神戸市外国語大学を中退後、1985年に焼鳥店「トリドール三番館」を創業し、1990年に現在のトリドールホールディングスを設立。2000年からうどん店「丸亀製麺」を展開。(写真:村田 和聡)
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新型コロナ禍の影響を受け、一時的に赤字となったものの(2021年3月期)、その後急回復しました。飲食業界全体に逆風が吹いた中で、いち早く回復・成長させた要因は。

 コロナ禍に入ってすぐ、2020年4月の売上高は相当影響が出ました。国内だけでなく、世界的にも行動制限が出て、営業時間を短縮しなければなりませんでした。その月だけで言えば、前年度と比較して売上高がほぼ半減しました。「丸亀製麺」はトリドールホールディングス(HD)の売り上げの多くをたたき出していますが、そこが機能をなくした瞬間が2020年4月でした。

 何かしなければ、ということで既存メニューのテークアウトを始めました。コロナ禍以前のテークアウト比率は1.5%程度。ほとんどが店内飲食でしたが、テークアウトを本格的に始めてから約15%まで伸びました。とはいえ、これまでの売り上げをカバーできる数字ではありません。新たな施策として「丸亀うどん弁当」を投入しました。これが非常にブレークして、1年間に約2000万食販売しました。結果として、今はコロナ禍前を上回る業績を達成できています。

 今、世界30の国と地域に店舗を展開しています。ロックダウンなどで厳しい時期もありましたが、国や地域ごとに行動規制などの影響は異なり、うまくリスクヘッジしながら、今では海外事業でも利益を出せています。