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 ニコンが買収したドイツの金属3DプリンターメーカーSLM Solutions Group(SLM)が2022年11月17日、最大3×1.2×1.2mの大きさの部品を製造できる大型の金属3Dプリンターを提供すると発表した。寸法精度が高い造形法として広く普及している粉末床溶融結合(PBF:Powder Bed Fusion)法の装置で造れる大きさとしては世界最大となる見込み。航空宇宙やエネルギー業界のユーザーと共同で開発を進めているという。

 開発中の装置は既存のSLM製の装置と同じく、金属粉末を薄く敷き詰めたところに、レーザーを照射して焼結させるPBF方式。3×1.2×1.2mの細長い形状だけでなく、直径1.8m、高さ1.6mの円筒形部品の造形も可能だ。現在、最大造形サイズが1辺1mを超えるようなPBF方式の金属3Dプリンターは少ない。開発中の装置は大型の金属部品を3Dプリンターで造るブレークスルーになると期待される。造形速度は最速330 cm3/h。

図 開発中の3Dプリンターで造形できる金属部品の大きさのイメージ
図 開発中の3Dプリンターで造形できる金属部品の大きさのイメージ
(出所:SLM)
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 開発中の装置の仕様や名前、販売時期は未公開。ただ、世界最大級の3Dプリンターの展示会「Formnext 2022」(2022年11月15~18日、ドイツ・フランクフルト)でSLMの説明員は「PBF方式である以外は、従来機と全く違うと言ってよいくらいのレベルで新規開発している」と明らかにした。販売時期については「最速で2024年だろう」(同)という。

 Formnext 2022のSLMのブースでは、3m級の部品を造れる金属3Dプリンターに関する展示はなかったものの、新型の金属3Dプリンター「NXG XII 600E」で造った部品などを披露した。NXG XII 600Eの最大造形サイズは0.6×0.6×1.5m。PBF方式としては現時点で「世界最大」(同社)で、競合製品の最大造形サイズを体積で90%、Z軸方向の高さで50%上回るという。Formnext 2022の展示会場をつなぐ通路の上には「BIGGER IS BETTER, BUT BIGGEST IS BEST.」という大きな垂れ幕をつり下げ、最大サイズを造形できる同社製の装置が1番だとアピールした。

Formnext 2022の展示会場をつなぐ通路の上に掲げられたSLMの垂れ幕
Formnext 2022の展示会場をつなぐ通路の上に掲げられたSLMの垂れ幕
(写真:日経クロステック) 
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