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東京海上日動火災保険やJFEスチールなどがメインフレームのモダナイズに動き出した。システムの維持リスク回避に加え、DX(デジタル変革)の足かせを外す狙いがある。レガシーシステムの「ラスボス」をひもとき、手ごわさの理由を押さえよう。

 プログラムのステップ数は1億を超える――。東京海上日動火災保険はメインフレーム上に構築した膨大なCOBOLアプリを今後、オープン系システムなどへ順次移行していく計画だ。同社をはじめメインフレームのヘビーユーザーが相次いでシステムのモダナイズに動き出している。

図 システムモダナイズが求められる2つの理由
図 システムモダナイズが求められる2つの理由
DX推進の足かせを外す
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 JFEスチールは4000万ステップのCOBOLアプリから成る基幹系システムのモダナイズを完遂。2022年6月にメインフレームを撤廃した。「システム面の事業継続リスクを低減したのに加え、DX(デジタル変革)に取り組みやすくした。今やらないと、取り残されてデジタル敗者になってしまう」。同社の市川公義IT改革推進部主任部員(課長)は、モダナイズへと突き動かされた危機感をこう言い表す。

 システムモダナイズが求められている理由の1つは、COBOL技術者の先細りやコスト高止まりといったリスクの回避だ。富士通によるメインフレームとUNIXサーバーからの撤退発表は、レガシーシステムの維持リスクを改めてユーザーに突きつけた。

 最近では、DX推進に向けレガシーシステムの足かせを外したいとのニーズも強まっている。具体的には、アプリを改変しやすいようにCOBOLからJavaにつくり替えたり、データ活用を深めるために階層型データベースをリレーショナルデータベースへ移行したりするといった具合だ。

 日立製作所の武田景サービス&プラットフォーム事業本部マネージドサービス事業部クラウドマネージドサービス本部担当本部長は、「IT基盤のモダナイズを通じてレガシーの保守負担を軽減しながら、DX推進へとシフトできる」と話す。

 移行先のIT基盤としてはクラウドの存在が大きくなってきた。クラウドのリソースや最新サービスを活用できるのに加えて、「IT投資の総額が決まっているなか、既存システムをクラウドなどへ移行してコストを下げれば、浮いた分を戦略投資に振り向けられる」(NTTデータの岡田譲二技術革新統括本部システム技術本部ADM技術部課長)からだ。