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 「なかなかパソコンが起動しない」「ようやく起動しても反応が鈍い」。こんな状態になると、もはやパソコンを使い続けるのも限界かと考えがち。あるいは、何の前兆もなかったのに突然パソコンが起動しなくなることもある。こうした状況に陥ったとき、あっさり諦めることはない。Windowsには「初期化」という最終手段がある。OSが元通りになるので、見違えるように動作が軽快になる。

 OSの初期化には、症状に応じて2つの方法がある(図1)。まず、パソコンの起動が激遅になったときには、OSの「設定」アプリから初期化する。パソコンが起動できる状態なので、内蔵ドライブの「Windowsコンポーネントストア」またはクラウドのデータからWindowsのイメージを再構築して再インストールする。

図1 「パソコンが異常に遅い」「突然起動しなくなった」という場合、初期化という解決方法がある。初期化すると、パソコンは購入直後のように快調に動くようになる。ただし、初期化によって削除されるものもあるので注意が必要。また、ハードウエアの故障で起動しない場合、初期化はできない
図1 「パソコンが異常に遅い」「突然起動しなくなった」という場合、初期化という解決方法がある。初期化すると、パソコンは購入直後のように快調に動くようになる。ただし、初期化によって削除されるものもあるので注意が必要。また、ハードウエアの故障で起動しない場合、初期化はできない
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 パソコンが起動しなくなった場合は、回復ドライブを使った初期化を試みる。これを実行するには、あらかじめUSBメモリーを使って回復ドライブを作成しておく必要がある。そして、回復ドライブから「Windows回復環境」を起動して、Windowsを再インストールする。

 ただし、OSの初期化には重大な〝副作用〟がある。自分で追加したアプリや周辺機器のドライバーソフトが削除されてしまうのだ。Windowsの設定は前者のやり方では一部残るが、後者ではすべて削除される。また、「ドキュメント」や「ピクチャ」などに保存した個人用ファイルは前者では残せるが、後者では必ず削除される[注1]

[注1]操作ミスや初期化中のトラブルに備えて、「設定」アプリから実行する場合も図14~図16の方法でファイル履歴を保存しておくことをお勧めする

 ただし、事前の準備があれば後で復元できるものもある。Windowsの設定はMicrosoftアカウントでサインインし、「設定の同期」画面で同期をオンにしておけば、後で復元できる(図2図3)。個人用ファイルも、外付けHDDなどにバックアップしてあれば、そこから書き戻すことができる。

設定はクラウドに保存して同期可能
設定はクラウドに保存して同期可能
図2 Windowsが保存している設定の一部は、クラウドに保存して、ほかのパソコンや初期化後のパソコンと同期できる。「アカウント」の設定画面から「設定の同期」を選び、同期の設定をオンにする(1)(2)
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同期できる主な項目
同期できる主な項目
図3 左右マウスボタンへの機能割り当て、ペンの利き手、Wi-Fiプロファイルなど、同期しておくと便利な項目は多い
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