Windows 10のサインインはクラウドと連携可能なMicrosoftアカウント(以下、MSアカ)を使うのが主流だ。しかし、MSアカはパスワードではなくPINコードでのサインインが必須なうえ、MSアカと同じ名前がOSのアカウント名に設定されて独自の名前にできないといった制限もある。そもそもMSアカはマイクロソフトのクラウドの利用が前提。使わない人にはほとんどメリットがない。図1の項目で1つでも該当するならローカルアカウント(以下、ローカルアカ)への切り替えを検討しよう。
OSのアカウントは本来パソコンの利用者を識別するためのもの。ローカルアカはこれに相当する(図2)。その役割にクラウドを含めたネットサービスへの自動サインインを加えたのがMSアカによるサインインだ。つまり、クラウドを使わないならローカルアカに切り替えても何も支障はない。
ローカルアカとMSアカの主な違いを図3にまとめた。クラウド経由での設定の同期はMSアカにしかできないが、2台以上のパソコンを使っていないユーザーには無関係。OneDrive(ワンドライブ)などのクラウドはOSのアカウントの種類に関係なくアプリにサインインすることで使える。プライバシー情報の送信はMSアカよりローカルアカのほうが少ない。
ローカルアカへの切り替えをするなら次の2つのプランから検討しよう(図4)。1つめはOSのサインインをローカルアカにしてアプリのサインインはMSアカを継続する。クラウドを使うなら迷うことなくこちらだ。2つめはOSもアプリもサインインしないで使う。クラウドを利用しない人はこちらでよい。ただ、どちらもOfficeアプリを使うにはMSアカが必須だ。