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 新型コロナウイルス感染症のまん延防止等重点措置が2022年3月下旬に解除されてから約8カ月、旅行やリアルイベントなど人々の移動が活発になる中で、ビジネスパーソンの働き方にはどんな変化が起こっているのか――。2020年4月から定期的に実施してきたテレワーク調査の最新結果を見ると、テレワークから出社へと回帰する傾向の強まりが浮かび上がった。

 日経BP 総合研究所 イノベーションICTラボは「働き方改革に関する動向・意識調査」を2020年春から定期的に実施しており、2022年10月に最新となる6回目の調査をした。「直近1カ月において、あなたはテレワークを利用して職場(派遣・常駐先を含む)以外でどの程度働きましたか」と尋ねたところ、「週3日以上」と答えた人は37.6%。調査開始以来、最も低かった。

テレワークの実施頻度別割合。「週3日以上」実施する人の割合は調査開始以来、最も低かった
テレワークの実施頻度別割合。「週3日以上」実施する人の割合は調査開始以来、最も低かった
(出所:日経BP 総合研究所 イノベーションICTラボ)
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 2020年4月に最初の緊急事態宣言が発出された直後は、週3日以上テレワークした人の割合は63.9%だった。以後、宣言が解除されると実施率は下がり、発出されるとまた上がる、というジグザグの動きをしてきた。

 2022年2~3月、まん延防止等重点措置の間は46.3%だったが、同措置解除後の3~4月は41.9%まで低下した。そして解除から半年以上が経過した10月時点でさらに下がった格好だ。この傾向が続くと仮定すると、週3日以上テレワークする人の割合は3割程度まで落ちる可能性がある。

週3日以上テレワークした人の割合の推移(青色)。2020年春から減少傾向にある
週3日以上テレワークした人の割合の推移(青色)。2020年春から減少傾向にある
全6回の関連調査で「直近1カ月において、あなたはテレワークを利用して職場(派遣・常駐先を含む)以外でどの程度働きましたか」との質問に「週3日以上」と答えた人の割合を時系列で並べた(出所:日経BP 総合研究所 イノベーションICTラボ)
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「みんなが出社するなら私も」との思いも

 半年前よりもテレワークの実施頻度が「減った」と答えた人にその理由を複数回答可の形で尋ねたところ、最も多かったのは「勤務先から出社を求められた・強要されたから」(43.5%)だった。新型コロナへの警戒感が弱まり、従業員に出社を促す企業が増えてきているようだ。

 自由意見には次のような声が寄せられた。

 「先月まではコロナ対策としてテレワークを認めていたが、今月からは原則廃止になった」(50代、建設業、課長クラス)。

 企業が出社を促したからテレワークの実施率が下がった。このロジックに驚きはない。だが、これとは別に、少し気になるデータを示したい。テレワークを「利用しない」と回答した人にその理由を聞いた結果である。