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 パソコンの性能は、CPUやGPUなどのプロセッサーの仕様に大きく左右される。満足に使えるPCを入手するためには、こうした“頭脳”部分の仕様に関する理解は欠かせない。特に久しぶりにPCを買い替える場合は、仕様をどのように確認すればよいのだろうか。プロセッサー周りの基本をおさらいし、最新トレンドも押さえていきたい。

CPUとGPUの役割についておさらい

 前提として、PCの処理性能は、搭載するCPUやGPU、メモリーなどの仕様によって大きく変わってくる。まずは、これらの仕様の意味について最低限の役割を理解しておこう。

 CPU(Central Processing Unit、中央演算処理装置)は、その名の通りPCにおける頭脳だ。その性能目安は、1秒間に何回の処理を行うかを表す「クロック周波数」で表される。単位は「Hz(ヘルツ)」で、その数値が大きいほど、計算速度が速いことを意味する。

 ただし、実際にはCPUは「コア」という単位に分かれており、現在では複数のコアを備えたマルチコアCPUが標準的だ。ゆえに、単純にシングルコアでのクロック周波数だけで、総合的な性能を比較するのは難しい。

 そこで理解すべきは、同時に処理できる作業の数を表す「スレッド」だ。例えば、2スレッドのCPUは同時に2つの処理を実行するし、4スレッドのCPUは同時に4つの処理を実行する。なお、このように複数のスレッドで、同時に複数の処理を実行している際の性能を「マルチスレッド性能」と呼ぶ。

 ただし、マルチスレッド性能は製品の仕様表に記載されていないことも多い。それゆえに、ベンチマークソフトなどを走らせたスコアを、既存機種のそれと照らし合わせていくのが、性能目安を知るための基本的なアプローチとなる。

コア数とスレッド数のイメージ。スレッド数は複数の処理を同時にこなせる数だ。4コア・4スレッド(左)の場合、処理能力に余力のあるコアがあっても、同時にほかの処理はできない。一方、4コア・8スレッド(右)の場合、コアの処理能力の余力を生かすことで、より多くの処理を実行できる
コア数とスレッド数のイメージ。スレッド数は複数の処理を同時にこなせる数だ。4コア・4スレッド(左)の場合、処理能力に余力のあるコアがあっても、同時にほかの処理はできない。一方、4コア・8スレッド(右)の場合、コアの処理能力の余力を生かすことで、より多くの処理を実行できる
(出所:井上晃)
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 さらに、昨今のCPUではコアごとに役割を分けていることも多い。例えば、処理性能が必要なときには高性能なコアが機能し、バッテリー消費を抑えたい場面では高効率なコアが機能するといった具合だ。

 一方のGPU(Graphics Processing Unit、画像処理装置)は、より小型のコアを数千個という単位で搭載する特殊なプロセッサーだ。画像や映像を描画するのに必要になる並行的な計算処理を、GPUは得意とする。

 PCが搭載するGPUは、CPUとともにセットで組み込まれる汎用的な「iGPU(Integrated GPU)」と、CPUから独立してグラフィックボードに搭載される「dGPU(Discrete GPU)」とに分かれる。購入を検討するPCで、どんなGPUが搭載されているのかは必ずチェックしたい。

 例えば、書類を作成したりWebを閲覧したりするならば、GPUの性能が高くなくても大丈夫だ。一方、ゲーミングやVRなどの用途を想定する場合には、3Dグラフィックスの重い描画処理に耐えられる高性能なGPUが必要になる。搭載するGPUの型番によって性能はおおむね決まるため、想定用途に合わせてどのクラスのGPUが必要になるのかを確認する。具体的には、ソフトウエアの推奨環境を確認したり、既存ユーザーのレビューを参考にしたりすることになるだろう。