Wi-Fi 6EとWi-Fi 7にはいつ買い替える?
Wi-Fi 6の後継規格の製品についても見ていく。Wi-Fi 6の次の世代に当たる「Wi-Fi 7」は2024年の仕様策定を目指すとされている。Wi-Fi 7では、Wi-Fi 6で使えなかった「6GHz帯」を含む、広い周波数帯を利用する。理論上の最大通信速度は、Wi-Fi 6の9.6Gbpsから、Wi-Fi 7は46Gbpsと大幅に向上する予定だ。
ナンバリング表記 | 規格 | 最大通信速度 | 周波数帯 |
---|---|---|---|
Wi-Fi 7 | IEEE 802.11be | 46Gbps | 6GHz帯、5GHz帯、2.4GHz帯 |
Wi-Fi 6E | IEEE 802.11ax | 9.63Gbps | 6GHz帯、5GHz帯、2.4GHz帯 |
※参考 Wi-Fi 6 |
IEEE 802.11ax | 9.63Gbps | 5GHz帯、2.4GHz帯 |
すでに一部のメーカーは策定中のWi-Fi 7(IEEE 802.11be)に準拠するとして、先駆けて対応するアクセスポイントなどの製品を発表している。しかし、少なくとも2023年中にWi-Fi 7製品が主流になることはない。
一方、Wi-Fi 6からWi-Fi 7へのつなぎである「Wi-Fi 6E」という規格の製品が、すでに市場に登場している。末尾の「E」は、拡張を意味する「Extend」の頭文字だ。Wi-Fi 6Eでは、IEEE 802.11axのまま、Wi-Fi 6で使えなかった6GHz帯を利用する規格である。
海外では2021年から出荷が始まっていたが、国内では2022年9月に6GHz帯の利用が認可されて対応製品の出荷が始まった。2022年中にアクセスポイントやノートPCの出荷を確認できた。2023年も続々と対応機器は出てくるだろう。
とはいえ、新しく追加された6GHz帯はアクセスポイント機能を搭載したルーター同士をつなぐ「メッシュネットワーク」に利用するケースが中心のようだ。ノートPCに搭載されたWi-Fi 6Eを使っても、IEEE 802.11axのままなので、最大通信速度もWi-Fi 6と変わらない。すでにWi-Fi 6対応環境が整っていれば、あわててWi-Fi 6Eへの移行を試みる必要はないだろう。