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 ここからは、Zen 4アーキテクチャーのRyzen 7000シリーズと第13世代Core(Raptor Lake-S)の性能を各種ベンチマークテストで徹底比較してみる。

演算性能と実アプリの処理性能は第13世代Coreが勝る

 まずはCPUの演算性能を計測する「CINEBENCH R23」の結果から見ていこう(図1)。最上位モデルのRyzen 9 7950XとCore i9-13900Kではそれほど差はない。しかし、最上位モデル以外ではインテルの第13世代Coreのほうが大きく勝っている。マルチコア性能、シングルコア性能ともに、Core i7-13700KがRyzen 9 7900Xを上回るといったように、シリーズで比較した場合、インテル第13世代Coreのほうが性能が高い。

CPUの演算性能を比較
CPUの演算性能を比較
図1 CPUの演算性能が一番高いのはCore i9-13900K、次点がRyzen 9 7950X。注目したいのはCore i7-13700KがRyzen 9 7900Xより高性能で、Core i5-13600KがRyzen 7 7700Xより高性能な点。CPU単体の演算性能に関してはRyzen 7000シリーズよりも第13世代Coreのほうが高いと考えてよい
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 図2は「Word」と「Excel」の処理性能を比較したものだが、図1のCPUの演算性能の差が実アプリの処理性能にもほぼそのまま反映されている。図3の動画エンコード性能のテストでは最上位CPUは同じ結果となったが、シリーズで比較した場合、そのほかはインテルCoreが勝っており、マルチメディア処理性能においても、第13世代Coreが強いと判断できる。

アプリの処理性能を比較
アプリの処理性能を比較
図2 グラフはPCMark 10 ApplicationsでWordとExcelの処理性能を比較したもの。比較的負荷の小さいWordではそれほど差はついていないが、マルチコア性能が効くExcelでは第13世代Coreのほうが明らかにスコアが高い。ビジネスアプリの処理においても第13世代Coreのほうが勝ると判断できる
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動画エンコード性能を比較
動画エンコード性能を比較
図3 グラフはiPhoneで撮影した4K動画(1分30秒、MOV形式)をYouTube向けの4K動画(M4V形式)にエンコードする時間を計測したもの。このテストではRyzen 9 7950XとCore i9-13900Kが同等だった。そのほかは全体的に第13世代のほうが処理時間が短かった。マルチメディア処理でも第13世代Coreが勝ると見てよい
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