2022年6月、AWSとSalesforceを全面採用しデジタルを駆使する家電量販店を目指すとする「DX宣言」を打ち出したビックカメラ。2023年春入社の新卒採用からは総合職とは別に「IT専門職」の採用コースを設けるなど、IT人材の採用に意欲をみせる。同社はどのようなIT人材を求めているのか、またビックカメラでIT人材として働く魅力や、入社後の育成・キャリアパスについて、デジタル部隊を統括する野原昌崇執行役員デジタル戦略部長に聞いた。
新卒採用で新たに「IT人材」の採用枠を設けました。
当社は2022年6月にDX(デジタルトランスフォーメーション)宣言をし、今まさにデジタル部隊の増員を進めている最中です。中途採用の強化と並行して、新卒でもIT人材の採用を始めました。従来は総合職採用の中から一定の人数をデジタル部門に配属するかたちでしたが、きちんとITエンジニアを志す学生を採るために、別枠を設けたほうがよいだろうと考えました。IT人材として入社した方は、デジタル部門でキャリアを積み続けられることをお約束します。本人の希望がない限り、他の部署に異動することはありません。
2024年入社のIT人材の新卒は20人ほどの採用を計画しています。2023年3月に会社説明会を開始し、4月ごろから内定を出していく予定です。面接はオンラインとリアルの最低でも2回を予定しています。
ビックカメラでIT人材として働く魅力は。
顧客から依頼されたものを作る「クライアントワーク」ではなく、自分たちの事業に直結するITシステムに携われる点が、事業会社でIT人材として働く魅力だと思います。日本でITエンジニアというとSIer(システムインテグレーター)の印象が強いかもしれません。しかし最近は欧米のように、事業会社が直接ITエンジニアを抱えてシステムを内製する動きが日本でも盛んです。当社も内製に力を入れており、現場と一体となって会社の成長に直結するITシステムを自ら開発できるのはやりがいがあると思います。
また、当社はAWSやSalesforceといった、グローバルで普及するテクノロジーを積極的に取り入れています。こういった技術を学べる環境であることも、技術志向の高い学生さんには魅力を感じてもらえるのではないでしょうか。資格取得の補助や、資格取得者への手当も予定しています。
どのような学生を求めていますか。
当社は小売業であり、店舗を軸にした「お客さま喜ばせ業」です。ITを使って顧客が便利になって喜んでくれたり、店舗で接客する仲間が働きやすくなったりすることに、やりがいを感じてもらえる人に来てもらいたいです。
そういったモチベーションを重視しているため、入社段階でITスキルは問いません。技術については入社後にしっかりと教育していくつもりです。