連結売上収益(売上高に相当)3兆5000億円を誇り、長年にわたり国内のITサービス産業を支えている企業の1社である富士通。IT業界を志望する学生からは、依然として高い人気を誇る。富士通はどのような学生を求めているのか。また、富士通の選考フローや、強みや弱みについて、同社の新卒採用責任者に聞いた。
4つの採用コース、「JOBマッチング」での入社が徐々に増加
富士通の新卒採用計画と選考フローは。
まず2024年卒に関する情報解禁は2023年3月からですので、2023年卒を前提に話すことをご理解ください。当社は通年採用をしており、毎年方針は大きく変わっていません。
富士通の新卒採用は、4つの採用コースを設けています。採用段階で職種や配属部署を限定しない「OPENコース」、ビジネスプロデューサー(営業職に相当)・エンジニアなど入社前に職種を決める「職種マッチングコース」、職種と配属本部を決める「JOBマッチングコース」、そして研究職向けの「研究所コース」です。
入社前からやりたいことが明確な学生と、入社後に職種や職場をじっくり考えたい学生がいますので、思考に応じて選べるようにしています。OPENコースを選ぶ学生が多いですが、最近はJOBマッチングコースで入社する人が徐々に増えている状況です。
選考フローは適性検査や書類選考を経て、面接を複数回実施するかたちが多いです。学校推薦を利用する場合は面接回数が少なくなります。採用人数は毎年750人ほどで、例年大きく変えていません。
どのような学生を求めていますか。
「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていく」という、当社のパーパス(存在意義)に「共鳴」してくれる人を求めています。「それいいな」という共感だけではなく、一歩進んだ「それ一緒にやってみたい」と共鳴してくれる人が理想です。また、当社が大事にしている3つの価値観「挑戦」「信頼」「共感」に対して、自分なりの考えを持っていることが望ましいです。
人物像としては「言われたことをがんばります」という人より、主体的に行動できる人です。当社は今、「DX(デジタルトランスフォーメーション)カンパニーになる」という大きな変革期にあります。正解がなく、ハードルも高いことに挑戦していますので、目の前の課題を解決するために自ら考えて動き、必要に応じて周囲を巻き込む力が必要です。面接では学生時代の経験から、そのあたりのポテンシャルを伺いたいと考えています。