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 車両データ解析のスタートアップ、スマートドライブは2022年12月15日、東証グロース市場に上場した。北川烈社長は「気を引き締めて、ゼロから出発するつもりで頑張る」と抱負を語った。

東証グロース市場への上場セレモニーに臨むスマートドライブの北川烈社長
東証グロース市場への上場セレモニーに臨むスマートドライブの北川烈社長
(写真:日経クロステック)
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 同社は車載IoT(インターネット・オブ・シングズ)機器の開発と販売、同機器で集めたデータを使ったテレマティクス(車両向け情報通信)サービスの開発を手掛ける。主な顧客は、運送や営業、設備保守など自動車で広く移動する業務を手掛ける企業や、自動車メーカー、損害保険会社である。

 具体的なサービスは、車両の運行管理から運転手の労務管理、運行データを生かした車両向けインフラ整備の支援、損保商品の開発支援までと幅広い。車両の走行ルートの見える化による営業ルートの見直し、運転速度の変化に基づく安全運転の支援、自動車リース会社向けの走行データの提供といったサービスも手掛ける。自動車メーカーのスズキや石油元売り大手の出光興産、不動産仲介のセンチュリー21・ジャパンなどとの協業実績がある。

スマートドライブの事業の全体像
スマートドライブの事業の全体像
(出所:スマートドライブ)
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マレーシアでEV実証、「意外に長距離を走行している」と判明

 スマートドライブは2021年8月から、マレーシアでEV(電気自動車)の充電ステーション普及に向けた実証事業に取り組んでいる。同社製品を使って現地のEVの走行データを収集。ルートや距離、回数といった走行データと充電ステーション設置状況のデータを組み合わせて、充電ステーションの需要動向の分析や新設すべき地点の洗い出しを目指す。

スマートドライブの海外展開の概要
スマートドライブの海外展開の概要
(出所:取材を基に日経クロステック作成)
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