2019年の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で当時の安倍晋三首相が各国に対して提唱した「信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)」。2023年4月に群馬県高崎市で開催される主要7カ国(G7)デジタル・技術相会合ではメインテーマの1つとなる。DFFTの実現に向けて、何が課題で、今後どのように進めていくべきか。法制度、技術のそれぞれの面から、専門家らが各国のデータ法制やデータ流通の現状を解説し、論点を語り尽くす。

2023年G7で注目、DFFT徹底解説
目次
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日本のIT企業の海外展開で鍵握るDFFTの「実装」に向けた議論はG7で進むか
信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)の実現に向け、何が課題で、今後どのように進めていくべきか。本連載の筆者陣が集まり、座談会を開催した。議論の様子を2回に分けてお届けする。後編はDFFTの実現に向けた具体的取り組みの今後についてだ。
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生成AIの課題と期待、「20年にわたるデジタル領域の信頼をぶち壊しに来た」
信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)の実現に向け、何が課題で、今後どのように進めていくべきか。本連載の筆者陣が集まり、座談会を開催した。議論の様子を2回に分けてお届けする。前編は米OpenAI(オープンAI)の対話型AI(人工知能)「ChatGPT」など生成AIの課題と今後についてだ。
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金融業界から見たデータ流通の課題、政府のコミットで「DFF」と「T」の二兎を追う
筆者が所属するマネーフォワードは、金融産業におけるデータ接続が進むなかで、金融法制における規制業種となり、データの活用とサービス提供者として必要となる信用・信頼についても向き合う業種となった。企業の立場から見たDFFTへの期待とは。
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G7でも討議の見込み、「Trusted Web」はインターネットの信頼を高めるか?
Trusted Webは「信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)」の実装系だと考える向きもあり、日本が議長国として取り組む2023年の主要7カ国(G7)デジタル相会合でも討議される見込みだ。改めてTrusted Webとは何か、本稿ではその内容と現時点の成果、今後の見通しについて概説する。
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改正電気通信事業法の施行で日本でも「必須科目」に、ガバメントアクセスとは何か?
「信頼性のある自由なデータ流通(Data Free Flow with Trust、DFFT)」の一部を構成するガバメントアクセスは、すでに机上の空論ではなく実務対応が必要な要件となりつつある。ガバメントアクセスの経緯や位置づけ、背景を概説し、その理念や目的について検討する。
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河野デジタル相がG7に向けて提案、DFFTを実装する官民新枠組みとは
河野太郎デジタル相は2023年1月17日、スイスで開催された世界経済フォーラム年次総会(通称「ダボス会議」)で登壇した。河野氏が提唱した「信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)」を実装するための国際的枠組みとはどんな課題意識に基づき、どのようなものとして提案されているのか。5つの視点から概説する…
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進む個人情報の「越境移転」枠組み整備、自由なデータ流通に貢献
個人情報の越境移転については、様々な国・地域において、認証制度、標準契約条項などの各種の越境移転の仕組み(越境移転ツール)の整備が進められている。今回はこのような越境移転の枠組みを見ていきたい。
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国際的なデータ移転ルールどう作るか?「DFFT」を各国がいま議論するワケ
「信頼性のある自由なデータ流通(Data Free Flow with Trust)」はグローバルな共通言語となっている。データエコノミーが本格的に到来し、社会課題の解決や経済成長に質の高いデータの流通が不可欠となった今、国際的なデータ移転ルールを主要国の間で取りまとめる意義は極めて大きい。