米国と中国の先端半導体を巡る攻防が激化している。米国は中国に先端半導体技術を渡すまいと、半導体に関する規制を強化する一方、同盟国/同志国・地域で完結できる半導体サプライチェーン形成を主導する。先端半導体をめぐる世界動向を追う。

半導体:覇権のゆくえ
目次
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imecのCEO「日本拠点は北海道、大学と連携する」
「我々は今、半導体業界の歴史的瞬間を目撃している」――。ベルギーの半導体半導体研究機関imec CEOのLuc Van den hove氏に、同社の動向と業界の今後を聞いた。
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ラピダスの最速製造戦略、小池社長が手の内明かす
ファウンドリーRapidus(ラピダス、東京・千代田) 社長の小池淳義氏はベルギーimecが開催した半導体イベント「ITF World 2023」(2023年5月16~17日、ベルギー・アントワープ)で講演し、これまで明らかにしてこなかったラピダスの技術戦略を明かした。
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米国視点で見る「日本半導体敗戦」、痛手だったサムスンへの政治的支援
「日本を打ち負かす鍵は(韓国Samsung Electronics〔サムスン電子〕のような)アジアのより安い半導体供給源を見つけることだった」――。2022年10月、米国で衝撃的な書籍が出版された。半導体の世界史を米国の視点から描いた『CHIP WAR(チップ・ウォー)』だ。
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米国の半導体戦略に取り込まれる日本、中国の反撃に注視
先端ロジック半導体を巡り、米国主導の新たなサプライチェーンが形成されようとしている。参画を見込むのは、日本や欧州、台湾といった国・地域である。前工程から後工程までの半導体サプライチェーンを信頼できる国・地域で完結させる。地政学的なリスクをなくし、対中半導体規制の強化にもつなげたい考えだ。
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米国が中国の先端半導体導入を徹底阻止、背景に軍事的パワーバランス
中国の半導体関連企業への米国の規制が止まらない。米国商務省産業安全保障局(BIS)は2022年12月16日、中国半導体メーカーの長江存儲科技(YMTC)など計36企業を「エンティティーリスト(取引制限リスト)」に追加したと発表した。米国はこれまでも、中国の半導体関連企業に輸出禁止や輸出制限の措置を…
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米国半導体規制の抜け穴を突く中国、先端プロセス影響は1年後か
米国の対中国半導体規制がすさまじい。2022年10月には先端製造装置の輸出に厳しい規制を敷いた。中国はもはや先端プロセスを製造できないのか。日本への影響は。中国の半導体情勢に詳しい半導体関連の業界団体SEMIの青木氏に聞いた。