Windows 11の新機能として提供が予定されていた「Windows Subsystem for Android(WSA)」。Windows 11のリリースや機能更新とは別のタイミングで地域ごとにリリースされ、日本では2022年8月から使えるようになった。
WSAを使うと、WindowsパソコンでAndroidアプリを動かすことができる。この特集では、WSAの仕組みから実際の利用シーン、使い方などに触れていく。まずはWSAの概要と仕組みを見ていこう。
Windows 11でAndroidアプリを実行できる
WSAを利用すると、Windows上でAndroidアプリを実行できる。WSAはWindows 11の機能として提供されており、Windows 10では利用できない。
Androidアプリ本体は、ユーザーが各自で入手してインストールする必要がある。ほとんどのAndroidデバイスは、アプリの入手元として米Google(グーグル)が運営する「Google Playストア」を利用できるが、WSAはGoogle Playストアを利用できない。
WSAは、米Amazon.com(アマゾン・ドット・コム)が提供する「Amazon Appstore」を利用してAndroidアプリをインストールする。Amazon Appstoreは、アマゾンのAndroidデバイスであるFire TVやFireタブレットで利用するアプリストアとしての実績があり、同デバイス向けに多くのアプリが配信されている。
WSAユーザーは、Windows向けのAmazon Appstoreに登録されているAndroid用アプリを使用する。Windows向けのAmazon Appstoreは、2022年2月に米国のみを対象として利用が開始されたが、8月に対象地域が拡大され日本でも利用できるようになった。現在、利用可能な地域は、公式ページで確認できる。
Windows向けのAmazon Appstoreへのアクセスには、「Amazonアプリストア」アプリを利用する。「Amazonアプリストア」アプリは、Microsoft Storeで公開されている。「Amazonアプリストア」アプリをインストールすることで、WSAも同時にインストールされる。WSAのみを単独でインストールできない。「Amazonアプリストア」アプリおよびWSAの新しいバージョンがリリースされた場合は、Microsoft Storeで通知され、更新することができる。
Amazon Appstoreのセットアップが完了すると、スタートメニューの[すべてのアプリ]に[アプリストア]という名称で「Amazonアプリストア」アプリが登録される。通常のアプリと見た目に違いはないが、「Amazonアプリストア」アプリ自体がAndroidアプリとしてインストールされる。