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 2023年1月5日(米国時間)、テクノロジーの見本市「CES 2023」(同年1月5~8日、米国ラスベガス)で欧州Stellantis(ステランティス)による基調講演が行われた。この席上、同社傘下ブランドであるPeugeot(プジョー)とRam(ラム)の電気自動車(EV)のコンセプトカーを初公開した。さらに、同社 CEOのCarlos Tavares氏は、車両データを活用する新規ビジネス「Mobilisights」の設立も発表。2030年までのソフトウエア関連サービスの年間収益200億ユーロ(約2.8兆円)達成に向けた足掛かりにしたいという。

 公開されたプジョーのコンセプトカーの名称は「Peugeot Inception Concept」(図1)。4ドアタイプの車両である。100kWhのバッテリーを搭載し、航続距離は800kmという。2つの電気モーターを搭載し、最大出力は680馬力になる。プジョーブランド CEOのLinda Jackson氏は「2026年に発売する新世代のEVの原型」と紹介した。

図1 Peugeot Inception Concept
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図1 Peugeot Inception Concept
人物はプジョーブランド CEOのLinda Jackson氏(写真:日経クロステック)

 Ramのコンセプトカーは、ピックアップトラックタイプの「Ram 1500 Revolution BEV Concept」である。2つの電動駆動モジュールを搭載し、全輪駆動することができる(図2)。最大出力350kWの800V急速充電に対応しており、約10分間で航続距離160km分を充電できる。同車種の量産モデルは2024年に市場投入する予定とした。

Ram 1500 Revolution BEV Concept
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Ram 1500 Revolution BEV Concept
人物は左がステランティス CEOのCarlos Tavares氏、右がラムブランド CEOのMike Koval氏(写真:日経クロステック)

 Mobilisightsはステランティス製のコネクテッドカーの車両データを収集し、集計化・匿名化したり、顧客から同意を得たりしてプライバシーに配慮したうえで、第三者にデータとして情報を供与するサービス。「パーソナライズされた保険から道路の危険検出や交通管理に至るまで、ユーザーにとって魅力的でメリットをもたらす幅広いサービスとアプリケーションが可能になる」(Tavares氏)とした。同社は2029年末までにステランティスのコネクテッドカーは、3400万台になっていると予測している。