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 米Google(グーグル)はスウェーデンの音楽配信サービス大手Spotify(スポティファイ)と提携し、複数デバイスでの音楽再生の切り替えを容易にする。テクノロジー見本市「CES 2023」(2023年1月5~8日、米国ラスベガス)に合わせて米国時間2023年1月5日に発表した。両社は2022年、グーグルの公式ストア「Google Playストア」以外でサブスクリプション(定額課金)の料金を支払えるようにするテストで提携しており、連携を強化する格好だ。

 スポティファイのアプリが持つリモコン機能「Spotify Connect」を、グーグルのOS「Android 13」の機能である「メディアプレーヤー」と統合する。メディアプレーヤーはAndroid端末で音楽を再生中に、ロック画面などから楽曲の情報を見たり再生・停止などの操作ができたりする機能。メディアプレーヤーを使って、再生するデバイスをスマートスピーカーなどへ簡単に変更できる。

 これまでグーグルは、メディアプレーヤーを使ったデバイス連携を自社サービスであるYouTubeとYouTube Musicに限定していた。年内をめどにスポティファイでも使えるようにする。ユーザーはスポティファイのアプリを開かずに、ロック画面からすぐにスピーカーを変更できるようになる。

CES 2023のGoogleの展示ブース。Androidによるデバイス間連携がテーマだった
CES 2023のGoogleの展示ブース。Androidによるデバイス間連携がテーマだった
(写真:日経クロステック)
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記者説明会で展示内容などを説明するGoogleのエリック・ケイ・バイスプレジデント
記者説明会で展示内容などを説明するGoogleのエリック・ケイ・バイスプレジデント
(写真:日経クロステック)
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 両社はさらに進んだデバイス間連携も検討する。グーグルは、車内の内蔵スピーカーでポッドキャストを聴き始め、スマートフォンで続きを聴き、自宅に帰った後にテレビのスピーカーで聴くといったシームレスな体験を例に挙げた。Bluetooth Low EnergyやWi-Fi、超広帯域無線などのワイヤレス技術を使って物理的に近くにあるデバイスを認識し、スマホにデバイス間連携を提案・通知するという。

 グーグルのCES 2023のテーマは、Androidを核としたデバイス間連携機能の強化だった。スマホやスマートウオッチなどを使ってカーテンを開けたり照明の照度を調整したりするといった展示や、近距離にあるAndroid端末同士でデータを共有できる「Nearby share」を使ったデモなどを披露した。