ソニーはテクノロジーの見本市「CES 2023」(2023年1月5~8日、米国ラスベガス)に、ユーザーの視線をカメラで検出して立体視を可能にする「空間再現ディスプレイ(Spatial Reality Display)」の面積を従来製品の約3倍にした大型のプロトタイプを出展した(図1)。2020年10月に発売した「ELF-SR1」のサイズは15.6型だったが、それを27型に拡大した。
空間再現ディスプレイは、1人のユーザーの視線を検知して表示するため、複数人で同時に立体視することはできないが、1人で見る限りは、どの角度からでも高精細な3D(3次元)映像が見られるのが特徴だ。同社が持つ視線検出技術を活用して見ている人の瞳の動きを数ミリ秒単位で検出し、その位置に応じてリアルタイムに3D映像を生成する。ソニーグループが開発する高速のCMOSイメージセンサー技術や視線追跡技術、計算環境の高速化、リアルタイムのレンダリング技術などを活用している。
同社はプロトタイプの仕様の詳細を明らかにしていないが、解像度はELF-SR1と同じ4K(3840×2160)である。ちなみに、ELF-SR1は輝度が500nits、コントラスト比が1400:1である。
では、なぜ今回、ディスプレーのサイズを27型と大型にしたのか。そこには、「15.6型では小さい」(説明員)というELF-SR1のユーザーの声があったという。