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 デジタルトランスフォーメーション(DX)は経営テーマの1つだ。DXで成果を上げることができるかどうかは、経営トップの姿勢にかかっている。以前のように、経営トップがDXを現場に丸投げしてしまうような状態が続いているとしたら、DXは立ち行かなくなる。

 そこでデジタル化実態調査2022年版(DXサーベイ2022年版)では、前回2020年調査に続き、「DXプロジェクト(DXを推進するためのプロジェクト)に関する経営トップの姿勢はどれですか」と尋ねた(「DXを全く推進していない」と回答した企業は、質問対象から除いた)。

経営トップの関与度、「DX戦略推進組織を支援」が最多に

 最も多かったのは、「(経営トップはDXプロジェクトの)重要性を理解し、DX戦略推進組織を支援している」(38.9%)である。これに、「重要性を理解しているものの、現場任せ」(32.8%)、「重要性を理解し、DX戦略をリードしている」(20.1%)、「重要性を理解していないし、無関心」(2.5%)と続く。

DXプロジェクトに関する経営トップの姿勢
DXプロジェクトに関する経営トップの姿勢
「DXプロジェクト(DXを推進するためのプロジェクト)に関する経営トップの姿勢はどれですか」に対する回答結果(出所:日経クロステック/日経BP 総合研究所 イノベーションICTラボ『DXサーベイ 2023-2025 674社の成功・失敗の実態と課題分析』)
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2年間で経営トップの理解度・関与度が着実に高まる

 DXに対する経営トップの姿勢は、2年間でどう変わったのか。今回2022年調査と前回2020年調査の結果を比較すると、「経営トップのDXに対する理解度・関与度は、2年間で着実に高まった」といえる。

 「重要性を理解し、DX戦略をリードしている」は20.1%で、前回(13.7%)と比べて6.4ポイント上昇した。今回最も割合の大きかった「重要性を理解し、DX戦略推進組織を支援している」は前回(30.5%)よりも8.4ポイント増えて、38.9%となった。

DXプロジェクトに関する経営トップの姿勢(前回2020年調査との比較)
DXプロジェクトに関する経営トップの姿勢(前回2020年調査との比較)
(出所:日経クロステック/日経BP 総合研究所 イノベーションICTラボ『DXサーベイ 2023-2025 674社の成功・失敗の実態と課題分析』)
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 一方、前回調査で最も大きな割合を占めた「重要性を理解しているものの、現場任せ」は、今回32.8%である。前回(37.5%)と比べて約5ポイント減少した。「重要性を理解していないし、無関心」も前回(4.9%)より割合が下がり、2.5%だった。