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 企業がDXプロジェクトを推進する場合、ITベンダーやコンサルティング会社といった外部企業に業務を委託するケースは少なくない。ITベンダー/コンサルティング会社(以下、DXパートナー)を選定する力がなければ、適切なパートナーと組むこともできず、DXプロジェクトは失敗しやすくなる。企業はDXパートナーを選定する際に、どのようなことを重視すべきなのか。

 DXパートナーの選定基準を探るため、前回2020年調査に続き「DXを実現するためのパートナーとして、外部のITコンサルティング会社(大手システムインテグレータを含む)に仕事を委託する際、16項目について、どれくらい重視しますか」と質問した。16項目とは、「デジタル化戦略の立案能力」や「サービス料金の妥当性」、「コンサルタント/技術者のスキル」などである。各項目について「非常に重視する」から「全く重視しない」の5段階で重視度を選択してもらった。

重視度1位「コンサルタント/技術者のスキル」は変わらず

 その結果を、「DXパートナーの選定基準に関する重視度ランキング」としてまとめた。ここでは「非常に重視する」の回答比率が多かった上位8項目を掲載する。

DXパートナーの選定基準に関する重視度ランキング(前回2020年調査との比較)
DXパートナーの選定基準に関する重視度ランキング(前回2020年調査との比較)
「DXを実現するためのパートナーとして、外部のITコンサルティング会社(大手システムインテグレータを含む)に仕事を委託する際、16項目について、どれくらい重視しますか」に対する回答結果から、上位8項目をまとめた(出所:日経クロステック/日経BP 総合研究所 イノベーションICTラボ『DXサーベイ 2023-2025 674社の成功・失敗の実態と課題分析』)
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 前回2020年調査の結果も、それぞれ下段に示した。今回と前回を比べると、順位に大変動はなく、若干の入れ替えがあった程度である。その詳細を見ていこう。

 「非常に重視する」の割合が54.7%で最も多かったのは、「コンサルタント/技術者のスキル」である。「やや重視する」(32.3%)と合計すると約9割(87.0%)で、他の項目よりも突出して大きい点が目を引く。

 前回調査でも「コンサルタント/技術者のスキル」を「非常に重視する」との回答比率が40.5%で最も高く、1位は変わらなかった。「やや重視する」と合計すると75.5%。今回の方が、重視する割合が10ポイント以上増えた。

 2年間で、コンサルタント/技術者のスキルを求める割合は増加したわけだ。それだけ、企業のデジタル化人材不足は深刻さを増しているようだ。