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 Office on the webを使う際には、考え方を切り替えてほしい。これまでのOffice Onlineや互換Officeを使った際は、“これができない”と使えない機能を探していたかもしれない。だが、Office on the webは、多くの人が普段よく使う機能の7~8割をカバーしている。例えば、Excelで集計表や住所録、ちょっとしたデータベースを扱うくらいは十分にできる。高望みせずに“足るを知る”ことで便利に利用できるはずだ(図1)。

機能はかなり充実している
機能はかなり充実している
図1 機能は同じではないが、作法は同じ。右クリックメニューを比べてみると、確かに違う。Office on the webではメニューにはない項目もちらほらある
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Excelはマクロが使えない

 Excelのシートは、シンプルな表にグラフを入れた程度なら、レイアウトもあまり崩れることなく十分実用的だ。

 レスポンスも素晴らしく、タブを切り替えてもサクサク利用できる(図2)。重く感じるような場合は、処理性能だけでなくインターネットの通信速度の問題もあるので、チェックするとよい。

Excelの機能 マクロは使えない
Excelの機能 マクロは使えない
図2 ワークシートはタブでの切り替えが可能。レスポンスも問題ない
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 関数も十分そろっている。よく使うSUMやIFはもちろん、LOOKUP系もある。「Excel 2021」で追加された「XLOOKUP」が使えるのも頼もしい。古いバージョンのExcelしか持っていない人でも、とても便利な新関数を体験できるのだ(図3)。

図3 関数は一部使えないものがあるが、普通の集計表なら十分だ
図3 関数は一部使えないものがあるが、普通の集計表なら十分だ
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 グラフも、よく使うものは大体そろっている。バブルグラフなど一部使えないものもあるが、あまり困らないだろう(図4)。驚かされるのが、ピボットテーブルが利用できること。無料でここまでできてしまってよいのかと感心するはずだ(図5)。

図4 グラフにも違いがあり、バブルグラフ、ピボットグラフなどが利用できない
図4 グラフにも違いがあり、バブルグラフ、ピボットグラフなどが利用できない
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図5 ピボットテーブルまで作成できるのはありがたい
図5 ピボットテーブルまで作成できるのはありがたい
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 重要な機能では、マクロとVBAが使えない。だが、そういうものだと割り切ってしまえば、かなり実用性は高い。実は、レイアウトやデザインにあまりこだわらないExcelが、Office on the webでは一番使いやすいと感じるだろう。