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 新型コロナウイルス禍で流通業に起きた大きな変化の1つが宅配に対する需要の急増だ。多くの消費者が「アマゾン」や「ウーバーイーツ」などの宅配サービスを利用し始め、スーパーマーケット事業者らによるネット通販への参入も相次いだ。一方で宅配サービスに携わる多くの事業者は、人手不足や配送コスト削減といった課題に直面することにもなった。

 NRF 2023で人手不足や配送コスト削減の解決策として注目を集めたのが、自動配送車やドローンによる宅配の自動化だ。実証実験から実用段階に移りつつある技術の展示や講演を取材すると、最終拠点から消費者への「ラストワンマイル」の未来が見えてくる。

 米Nuro(ニューロ)はAI(人工知能)やAR(拡張現実)、ロボット工学などの最新技術を展示する「イノベーションラボ」で配達用の自動運転車を展示した。同社はともに米Google(グーグル)のエンジニアだったジアジュン・ジウ氏とデイブ・ファーガソン氏が2016年に創業。ソフトバンク系やトヨタ系の投資ファンドも出資する。

ニューロは荷物の配達に特化した自動運転車を展示した
ニューロは荷物の配達に特化した自動運転車を展示した
(撮影:日経クロステック)
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 ニューロの車両の特徴は安全性への配慮だ。360度カメラやレーダー、熱を検知するサーマルカメラなどを駆使して周囲の人や物体との衝突を避ける。荷物を運ぶことに特化しているため乗用車よりもサイズはひと回り小さく、小回りや機敏な動きをできるようにしている。さらに万が一の衝突に備えて、外部に広がるエアバッグも備える。

 使い勝手にも工夫を凝らした。荷物は車両中央に配置したタッチスクリーンを操作すれば簡単に取り出せる。空調システムによる加熱や冷却機能を備え、ピザは温かく、飲み物は冷たいまま運べるという。

 同社は近年、米Domino's Pizza(ドミノ・ピザ)や米Walmart(ウォルマート)、米7-Eleven(セブンイレブン)、米Uber Technologies(ウーバー・テクノロジーズ)ら大手と立て続けに提携。無人配送サービスへの知見を蓄えつつ、着実に存在感を高めている。